国と地方の協議の場とは、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方自治の確立を図るため、地方自治に影響を及ぼす国の政策の企画・立案・実施について、国の関係大臣と地方六団体の代表者が協議する法定の場をいう(国と地方の協議の場に関する法律)。
地方に大きな影響を及ぼす国の政策を、決定前に地方の声を反映させて協議する場はあるのか。これに法的根拠を与えたのが、平成23年に施行された国と地方の協議の場に関する法律である。同法に基づき、内閣総理大臣その他の関係大臣と、全国知事会・全国市長会・全国町村会など地方六団体の代表者が構成員となり、地方財政・社会保障・税制など地方自治に関わる重要政策を協議する。それまで地方六団体は国に対し意見具申や情報提供を求める権利を有していたが、政策形成の場で対等に協議する制度的枠組みは持たなかった。この場の法制化により、地方分権改革の理念である国と地方の対等・協力の関係が、政策過程に手続として組み込まれることとなった。協議の結果は構成員が尊重する義務を負い、議事の概要は公表される。
法制化の経緯と位置づけ
国と地方の協議の場は、地方分権改革の流れのなかで、国の政策決定に地方の意見を反映させる手続を制度として確立する目的で設けられた。地方分権一括法以降も、地方に関わる重要政策が国の判断で先行決定される構造への問題意識が地方六団体から繰り返し示されてきた。これを受け、平成23年に国と地方の協議の場に関する法律が施行され、それまで運用上行われていた協議が法定の場として位置づけられた。構成員は内閣官房長官や総務大臣・財務大臣など関係大臣と、地方六団体が指名する代表者であり、議長は国側、副議長は地方側から選ばれる。協議の対象は地方自治・地方行財政・社会保障・税制・教育など地方自治に影響を及ぼす国の政策とされ、構成員は協議が調った事項についてその結果を尊重する義務を負う。
地方六団体との関係
国と地方の協議の場の地方側構成員は、地方六団体(全国知事会・全国都道府県議会議長会・全国市長会・全国市議会議長会・全国町村会・全国町村議会議長会)の代表者である。地方六団体は地方自治法第263条の3に基づき、地方自治に影響を及ぼす法律・政令その他の事項について内閣に意見を申し出、または国会に意見書を提出できる権能を有してきた。国と地方の協議の場は、この意見具申の権能を一歩進め、政策の企画・立案段階から国側と直接協議する常設の枠組みを与えるものである。両者は地方の意見を国政に反映させる手段として連続しており、協議の場の構成団体が地方六団体であることは、地方分権改革が積み上げてきた国・地方関係の到達点を示す。
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