公有財産とは、地方自治法第238条第1項に列挙された地方公共団体が所有する不動産・物権・無体財産権・有価証券・出資による権利等の財産の総称をいう。
庁舎や学校の敷地、道路、出資金や株式は、地方公共団体の財産のうちどの区分に整理して管理すべきか。公有財産は、自治体が保有する財産を物品・債権・基金と区別して位置づける上位概念であり、地方自治法第238条第1項が土地・建物などの不動産、地上権などの用益物権、特許権などの無体財産権、株式や社債などの有価証券、出資による権利、財産の信託の受益権を列挙して範囲を画定する。公有財産は用途に着目してさらに行政財産と普通財産の二つに区分され、庁舎や学校のように直接公の目的に供されるものが行政財産、それ以外で経済的価値の保全運用に供されるものが普通財産となる。この区分により、貸付・交換・売払いといった処分の可否や、行政財産の目的外使用許可の扱いが分かれる。会計管理者ではなく原則として長が管理し、公有財産台帳の整備や定期的な現況確認を要する点で、現金である公金や消耗品である物品とは管理の系統が異なる。
行政財産と普通財産の区分が処分のルールを分ける
公有財産は用途により行政財産と普通財産に区分され、この区分が処分や貸付の自由度を直接左右する。行政財産は庁舎・学校・道路など直接公の目的に供される財産で、地方自治法第238条の4により原則として貸付・交換・売払い・出資の目的とすることや私権の設定が禁じられ、用途を妨げない限度で目的外使用を許可できるにとどまる。これに対し普通財産は同法第238条の5により貸付・交換・売払い・譲与・出資・信託が可能で、経済的価値の発揮を目的に管理される。庁舎の一部を行政財産のまま民間に貸す場合は目的外使用許可、不要となった土地を売却する場合は行政財産から普通財産への用途廃止を経るという手順の違いは、この二区分に起因する。
物品・債権・基金とは別系統で管理される
公有財産は地方公共団体の財産を構成する四区分のうちの一つであり、物品・債権・基金とは管理の根拠も担当も異なる。地方自治法第237条第1項は財産を公有財産・物品・債権・基金と定義し、公有財産は不動産や有価証券など第238条第1項各号の権利に限られる。現金は財産ではなく公金として会計管理者が出納・保管する一方、公有財産は原則として長が取得・管理・処分の権限を持ち、公有財産台帳によって所在・数量・価格を把握する。同じ庁舎でも、建物そのものは公有財産、備品の机や椅子は物品、修繕のための積立ては基金というように、一つの施設をめぐっても財産の種別ごとに管理の系統が分かれる点が実務上の要点である。
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