ジチテン

公的扶助

読み:こうてきふじょ

意味

公的扶助とは、資力調査を経て、自力で最低限度の生活を維持できない者に対し公費により最低生活を保障する、社会保障の一部門である。

生活保護の窓口で「公的扶助」という上位概念を理解しておくと、なぜ資力調査扶養照会が制度上不可欠なのかが見通せる。公的扶助は、保険料の拠出を要件とする社会保険と異なり、拠出を前提とせず公費を財源として最低生活を保障する救貧の仕組みである。日本では生活保護がその中核であり、生活保護法に基づき8種類の扶助が用意されている。給付にあたっては資産・能力その他あらゆるものを活用してなお不足する場合に補足的に行われる(補足性の原理)。社会保険が事前の備えによる防貧を担うのに対し、公的扶助は最後のセーフティネットとして、社会保障体系の底を支える役割を負う。

公的扶助の原理と生活保護

公的扶助は、資力調査(ミーンズテスト)により最低生活費に満たないことを確認したうえで、不足分を公費で補う制度である。日本における公的扶助の中核は生活保護で、生活保護法に基づき生活・住宅・教育・医療・介護・出産・生業・葬祭の8種類の扶助からなる。給付は補足性の原理に従い、資産・稼働能力他法他施策扶養義務者の扶養を活用してなお最低生活費に満たない場合に行われる。保険料の拠出を要件としない無拠出制であり、財源は全額が公費(国3/4・地方1/4が基本)で賄われる点が、拠出を前提とする社会保険との根本的な違いである。

社会保障体系での位置づけ

公的扶助は社会保障の4部門(社会保険・公的扶助・社会福祉公衆衛生)の一つであり、社会保険で対応しきれない困窮を下支えする「最後のセーフティネット」として位置づけられる。社会保険が保険事故の発生に応じてあらかじめ拠出した者に給付するのに対し、公的扶助は拠出の有無を問わず、現に困窮する者の最低生活を保障する。憲法25条の生存権を直接的に具体化する制度であり、判定には資力調査を伴うため、社会保険に比べて受給に伴うスティグマや捕捉率の低さが課題として指摘される。自治体では福祉事務所が実施機関となり、現業を行う所員(ケースワーカー)が個別の保護の決定・実施を担う。

つながりのある用語

ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)