ジチテン

厚生年金保険法

読み:こうせいねんきんほけんほう

別名:厚年法
意味

厚生年金保険法とは、適用事業所に使用される被用者を被保険者とし、基礎年金に上乗せして報酬比例の年金を支給する公的年金の根拠法で、年金制度の2階部分を担う。

会社員や公務員が受け取る年金が自営業者より手厚いのはなぜか。厚生年金保険法は、適用事業所に使用される被用者を被保険者として、国民年金の基礎年金に報酬比例の年金を上乗せする2階部分を定める法律である。

保険料は標準報酬月額・標準賞与額に保険料率を掛けて算定し、事業主と被保険者が折半で負担する。報酬が高いほど保険料も給付も大きくなる報酬比例の仕組みで、現役時代の所得水準を退職後の年金に反映させる。

給付には、老齢厚生年金・障害厚生年金・遺族厚生年金がある。これらは国民年金の基礎年金に上乗せされる形で支給され、被用者は基礎年金と厚生年金の2階建てで老後や障害・遺族の保障を受ける。2015年には公務員等の共済年金が厚生年金に統合され、被用者の年金制度は一元化された。

厚生年金の被保険者は同時に国民年金の第2号被保険者となるため、両法は一体で運用される。市区町村職員自身もこの制度の被保険者であり、住民の年金相談でも基礎年金との関係の理解が欠かせない。

報酬比例という設計と労使折半の保険料

厚生年金は、加入期間中の報酬の水準を年金額に反映させる報酬比例の年金である。保険料は、報酬を等級に当てはめた標準報酬月額と賞与に基づく標準賞与額に保険料率を掛けて算定し、事業主と被保険者が折半で負担する。報酬が高い人ほど納める保険料も大きく、その分だけ将来受け取る老齢厚生年金も大きくなる。定額の保険料で定額の基礎年金を給付する国民年金の1階部分とは設計思想が異なり、現役時代の所得格差を一定程度年金額に持ち越す仕組みである。事業主が保険料の半分を負担する点は健康保険と共通し、被用者保険に共通する財政基盤となっている。被保険者は同時に国民年金の第2号被保険者でもあるため、納める厚生年金保険料のなかに基礎年金の費用が含まれており、国民年金保険料を別に納める必要はない。

2階建て年金と被用者年金の一元化

日本の公的年金は、全国民共通の基礎年金を1階、被用者の報酬比例年金を2階とする2階建ての構造をとる。厚生年金に加入する会社員や公務員は、老齢基礎年金に老齢厚生年金が上乗せされ、障害や死亡の際も障害基礎年金・遺族基礎年金に厚生年金分が加わる。かつて公務員・私学教職員は共済年金という別制度に加入していたが、2015年10月の被用者年金一元化により共済年金は厚生年金に統合され、被用者は職業を問わず同じ厚生年金保険法のもとで扱われるようになった。これにより民間被用者と公務員の年金給付の官民格差が縮小し、転職時の制度間移動も整理された。市区町村職員自身も地方公務員共済組合を経由してこの厚生年金の被保険者となっており、自らの年金と住民への説明の双方でこの2階建ての理解が欠かせない。

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