国民健康保険運営方針とは、国民健康保険法第82条の2に基づき都道府県が定める方針であり、都道府県内の国民健康保険事業の運営に関する基本的な事項や、市町村が担う事務の標準化・効率化の方向を定めるものである。2018年度の都道府県単位化に伴い導入された。
国民健康保険は2018年度から都道府県も保険者に加わり、財政運営の責任を都道府県が担う仕組みに変わった。では都道府県内でばらばらだった保険料水準や事務をどう揃えていくのか。その指針が国民健康保険運営方針である。方針には、医療費や財政の見通し、市町村ごとの保険料収納率の目標、保険給付の適正化や保健事業の方向、市町村が行う賦課・徴収・資格管理などの事務の効率化・標準化・広域化に関する事項を定める。とりわけ保険料水準の統一に向けた工程は、市町村間で異なってきた保険料の算定方式や水準をどこまで近づけるかという論点を含み、住民負担に直接かかわる。方針は原則3年ごとに見直し、市町村との協議を経て定める。
都道府県単位化と運営方針の位置づけ
2018年度の制度改正で、都道府県が市町村とともに国民健康保険の保険者となり、財政運営の責任主体となった。これに伴い、都道府県は国民健康保険法第82条の2に基づき国民健康保険運営方針を定め、都道府県内の統一的な運営の指針を示すこととされた。市町村は被保険者の資格管理、保険給付、保険料の賦課・徴収、保健事業といった住民に身近な事務を引き続き担うが、これらの事務を運営方針に沿って標準化・効率化していく。運営方針は、都道府県が市町村ごとに割り当てる国民健康保険事業費納付金の算定や、市町村に交付する保険給付費等交付金とあわせて、都道府県単位の財政運営を方向づける文書である。
保険料水準の統一という論点
運営方針の中核的な論点が、都道府県内における保険料水準の統一である。従来、保険料は市町村ごとに医療費水準や所得水準を反映して算定されてきたため、同じ所得・世帯構成でも市町村により保険料額が異なっていた。都道府県単位化後は、医療給付費を都道府県全体でまかなう構造になったため、負担と給付の対応関係を整理する観点から、算定方式や保険料率を都道府県内で揃えていく方向が示されている。国は運営方針に保険料水準統一に向けた工程を位置づけるよう促しているが、激変緩和の必要や市町村の事情を踏まえ、統一の時期や程度は都道府県により異なる。
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