後期高齢者支援金とは、後期高齢者医療制度の費用の一部を支えるため、被用者保険や国民健康保険など現役世代の医療保険者が社会保険診療報酬支払基金に対して拠出する負担金である。
国保や健康保険の財政を読むとき、保険料収入の多くが自分の加入者の給付ではなく高齢者医療への拠出に回っていることに気づく担当者は多い。後期高齢者支援金はその拠出の中核であり、後期高齢者医療制度の給付費のうち公費と高齢者本人の保険料で賄えない部分を、現役世代の保険者全体で支え合う仕組みである。各保険者の負担額は、原則として加入者数に応じて按分されるが、被用者保険の間では報酬水準に応じて負担を調整する総報酬割が導入されている。市町村国保にとっては保険料収入を圧迫する大きな支出項目であり、後期高齢者の増加に伴って負担が膨らむ構造的な課題を抱える。支援金は各保険者から支払基金へ集められ、そこから各都道府県の後期高齢者医療広域連合へ交付されるため、保険者間の財政調整の結節点に位置する。
支援金の算定と総報酬割
後期高齢者医療制度の給付費は、おおむね公費が5割、高齢者本人の保険料が1割、現役世代からの支援金が4割という負担割合で賄われる。後期高齢者支援金はこの4割部分を担い、各医療保険者が拠出する。当初は各保険者の加入者数に応じて負担額を按分する加入者割を基本としていたが、被用者保険者の間では2010年代に段階的に総報酬割(加入者の報酬総額に応じた按分)が拡大され、現在は被用者保険分が全面的に総報酬割となっている。これにより、報酬水準の高い健康保険組合や共済組合の負担が相対的に重くなる一方、財政基盤の弱い協会けんぽの負担が軽減される方向に働く。
国保財政における位置づけ
市町村国民健康保険にとって、後期高齢者支援金は介護納付金と並ぶ大きな拠出金支出である。国保の被保険者は無職者や高齢者の割合が高く保険料収入が伸びにくい一方、現役世代として支援金の拠出義務を負うため、支援金負担は保険料水準を押し上げる要因となる。支援金は各保険者から社会保険診療報酬支払基金にいったん集約され、そこから各都道府県の後期高齢者医療広域連合へ交付される。高齢化の進行により制度全体の給付費が増え続けるなかで、現役世代の負担をどこまで求めるかは医療保険制度改革の中心的な論点であり、世代間の負担の公平をめぐる議論と直結する。
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