ジチテン

公拡法

読み:こうかくほう

別名:公有地の拡大の推進に関する法律別名:公有地拡大推進法
意味

公拡法(公有地の拡大の推進に関する法律)とは、地方公共団体等による公共用地の計画的な先行取得を進めるため、一定面積以上の土地の有償譲渡に届出・申出を義務づけ、地方公共団体等に先買いの機会を与える法律である。

都市計画道路や公園の用地を、事業が始まる前から計画的に確保するにはどうするか。公拡法は、地価が事業着手後に高騰する前の段階で自治体が用地を先回りして取得できるよう、土地取引に届出と協議の仕組みを設けた法律である。都市計画施設の区域内や道路・河川の予定地など一定の土地を有償で譲り渡そうとする者は、その旨を事前に都道府県知事へ届け出る義務を負う(土地有償譲渡届出)。届出を受けた自治体は、買い取る希望があれば土地所有者と買取り協議を行い、合意すれば随意契約で取得できる。逆に、土地所有者の側から自治体に買い取りを求める買取り希望の申出制度もある。協議が不調なら所有者は第三者へ自由に売却でき、強制的な取得ではない点が土地収用と異なる。実務では用地担当課が届出を受理し、関係事業課に先買いの要否を照会する流れになる。

届出・申出の対象と面積要件

公拡法に基づく届出が必要となる土地は、都市計画施設の区域・道路区域・河川予定地など法と政令が列挙する区域内の土地、および市街化区域内で一定面積以上の土地である。市街化区域では原則5,000平方メートル以上(地域により条例で引き下げ可能)、都市計画区域内の特定の区域では200平方メートル以上が目安となるなど、区域の性質に応じて面積要件が分かれる。これらの土地を有償で譲渡しようとする者は、契約の前に予定価格・譲渡先などを都道府県知事へ届け出なければならない。届出をせずに譲渡しても契約自体は無効にならないが、過料の対象となりうる。買取り希望の申出は面積要件を満たせば所有者の側から行え、自治体に取得を促す手段となる。

先買いと土地収用・土地開発公社の関係

公拡法の先買いは、土地収用のような強制取得ではなく、届出を契機とした任意の買取り協議である。協議が成立しなければ所有者は届出後一定期間の経過により第三者へ売却でき、私権の制限は収用に比べて緩やかである。先買いで取得した土地の保有・管理の受け皿として、同法は土地開発公社の設立根拠も定めている。土地開発公社は自治体に代わって公共用地を先行取得・保有し、事業の進捗に合わせて自治体へ売り戻す法人で、用地費の平準化や先行確保を担う。近年は地価下落で塩漬けとなった保有地の処理や、第三セクター等改革推進債を活用した解散が各地で進み、公社の保有資産の健全化が用地行政の論点となっている。

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