工事請負費とは、自治体が施設の建設・改修・修繕などの工事を請負契約により施工させる際、その対価を整理する歳出予算の節の一つである。
庁舎の建設費や道路の改良費は、どの節から支出するのか。土木・建築工事の対価を計上するのが工事請負費で、地方自治法施行規則別記の歳出予算に係る節の区分のうち第15節に位置づけられる。役務の委託を計上する委託料や、物品の購入を計上する需用費・備品購入費とは性格が異なり、計上する節を取り違えると予算執行の適正を欠く。
工事請負費に計上するのは、建物・工作物の新築・増築・改築、道路・橋りょう・上下水道などの土木工事、これらに伴う設計変更や追加工事の対価である。一方、設計や測量、施設の保守点検、清掃といった役務は工事ではなく委託であり、委託料から支出する。建物に固定されない機械器具の単体購入は備品購入費となる。同じ事業でも、何を契約の目的とするかによって節が分かれるため、起工の段階で節の選択を確定させておく。
工事請負費による支出は、予定価格の積算、入札による相手方の決定、契約の締結、出来形に応じた前金払・部分払、完成検査を経た代金の支払という一連の手続を伴う。設計変更により請負代金額が増減すれば、変更契約を締結したうえで同じ節の中で予算を調整する。節の区分は予算の透明性と決算分析の基礎であり、工事と委託・物品の境界を意識して節を立てる。
節の区分における工事請負費の位置
歳出予算の経費は、款・項・目・節の段階で区分され、最も細かい段階である節は地方自治法施行規則の別記によって定型化されている。工事請負費は節の一つで、施設の建設・改修・修繕に係る請負契約の対価を計上する。隣接する節との切り分けが実務の要で、設計・調査・測量・保守・清掃などの役務は委託料に、机・椅子・車両など建物に固定されない物品の購入は備品購入費に、修繕のうち軽微で工事に至らないものは需用費の修繕料に計上する場合がある。同じ「直す」行為でも、請負契約による工事か、消耗的な修繕かで節が分かれるため、契約の目的と規模を確認して節を確定する。
工事請負費の執行と設計変更時の調整
工事請負費による支出は、起工伺による意思決定、予定価格の積算、一般競争入札等による相手方の決定、工事請負契約の締結という順で進む。施工中は、地方自治法施行令第163条に基づく前金払や、出来形に応じた部分払によって代金の一部を先払いできる。工事の完成後は完成検査を行い、検査調書を作成して残代金を支払う。施工途中で現場条件の相違や数量の増減が生じた場合は設計変更を行い、請負代金額が変わるときは変更契約を締結する。増額分も同じ工事請負費の節から支出するが、当初予算で不足するときは流用や補正予算による財源の手当てが必要になる。
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