工事写真とは、完成後に外から見えなくなる部分の施工状況や出来形・使用材料を記録し、施工管理と検査の証拠とするために撮影する写真である。
完成すると見えなくなる基礎や地中の配管を、検査ではどう確認するのか。工事写真は、掘削深さ・鉄筋の配置・埋設物といった不可視部分や、出来形寸法・使用材料を撮影して残す記録であり、検査調書を裏づける証拠資料となる。撮影では黒板に工種・測点・寸法・撮影日を記載して被写体と一緒に写し込み、後から測定値と現場を対応づけられるようにする。完成検査や既済部分検査では、現地で確認できない部分を工事写真と出来形測量記録で間接的に確認し、設計図書の規格値を満たすかを判断する。近年は黒板を画面上に合成する電子小黒板や電子納品が普及し、写真の改ざん防止と整理の効率化が進んでいる。
工事写真が検査で果たす役割
公共工事の検査は、完成した構造物の外観・寸法を現地で確認するだけでは足りない。基礎・杭・埋設管・鉄筋など、後続の工程で覆われて完成時には確認できない部分が多いため、これらは施工中に工事写真として記録し、検査時の証拠とする。検査職員は工事写真と出来形測量記録・材料試験記録を突き合わせ、不可視部分が設計図書の規格値どおりに施工されたかを判断する。写真には黒板で工種・測点・設計値・実測値・撮影年月日を写し込み、被写体と数値を一体で確認できるようにする。記録が不十分だと、やり直しや工事成績評定の減点につながる。
電子小黒板と電子納品
従来は工事写真を紙の写真帳に整理して提出していたが、撮影枚数の増加と改ざん防止の要請から、電子データでの管理が標準になりつつある。電子小黒板は、撮影した画像に工種や寸法を記した黒板情報をソフト上で合成する仕組みで、現場での黒板準備の手間を省く。改ざんを防ぐため、撮影後に画像を編集していないことを検証できる信憑性チェック機能が用いられ、これを満たさない写真は受け取らない運用がとられる。完成時には電子納品の要領に従って所定のフォルダ構成・ファイル形式で整理し、発注者へ引き渡す。
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