広域連携とは、複数の地方公共団体が単独では効率的に処理しにくい事務や広域的な行政課題に共同で対処するため、地方自治法に基づく各種の手法を用いて連携する取組みの総称をいう。
人口減少と財政制約のなかで、ごみ処理・消防・公共施設の維持といった事務を一団体だけで担い続けられるかは、市区町村が直面する具体的な経営判断である。広域連携は、その答えとして地方自治法が用意した連携手法の束を指す。地方自治法は連携の度合いに応じて複数の選択肢を定めており、別法人を設立する重い類型として一部事務組合・広域連合があり、法人を設けず協議で進める軽い類型として連携協約・事務の委託・事務の代替執行・機関等の共同設置がある。さらに国の施策として、中心市を核に圏域を形成する連携中枢都市圏・定住自立圏が制度化されている。どの手法を選ぶかは、共同処理する事務の性質、関係団体の数、経費負担と意思決定の機動性をはかりにかけて決まる。法人設立を伴う類型は組織運営の手間が重い反面、独立した権限主体として事務を担えるのに対し、協約型は機動的だが調整コストが各団体に残る。
地方自治法が定める連携手法の体系
地方自治法は広域連携の手法を、別法人の設立を伴うものと伴わないものに大別して定める。法人を設立する類型が一部事務組合(第284条)と広域連合(第284条第3項)で、いずれも特別地方公共団体として独立の権限主体になる。広域連合は国や都道府県から直接に権限の委任を受けられる点で一部事務組合と異なる。法人を設立しない類型が、基本方針と役割分担を定める連携協約(第252条の2)、事務の管理執行を他団体に委ねる事務の委託(第252条の14)、委ねた団体の名において執行する事務の代替執行(第252条の16の2)、委員会や職員を共同設置する機関等の共同設置(第252条の7)である。協議会も第252条の2の2に置かれている。連携の重さと手間が手法選択の基準になる。
圏域形成施策としての広域連携
地方自治法の手法とは別に、国は中心市と近隣市町村が圏域を組む施策を進めてきた。指定都市・中核市が近隣市町村と連携協約を結ぶ連携中枢都市圏、中心市が定住自立圏形成協定を結ぶ定住自立圏がこれにあたり、いずれも連携協約や協定という地方自治法・要綱上の道具を土台に、圏域全体の経済成長の牽引や生活機能の確保を目指す。これらは特定事務の共同処理にとどまらず、圏域を一つの生活経済圏として運営する点に特徴があり、財政支援措置と一体で運用される。市区町村は、単一事務の共同処理なら組合・委託、圏域全体の機能維持なら圏域施策、と目的に応じて手法を組み合わせる。
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