候補者届出政党とは、衆議院小選挙区選出議員の選挙において、所属する候補者の届出を行うことができる政党その他の政治団体をいい、公職選挙法第八十六条に定められる。
衆議院の小選挙区選挙では、候補者本人だけでなく一定の要件を満たした政党も候補者を届け出ることができ、この政党を候補者届出政党という。要件は、所属する衆参両院の国会議員が五人以上であるか、直近の国政選挙で得票率二パーセント以上を得たことのいずれかで、政党要件とほぼ重なる。
候補者届出政党となることの実益は、政見放送や新聞広告、選挙運動用ビラの追加など、候補者個人には認められない政党単位の選挙運動が可能になる点にある。比例代表選挙で名簿を届け出る名簿届出政党とは届出の対象が異なり、小選挙区の候補者を届け出るのが候補者届出政党、比例名簿を届け出るのが名簿届出政党である。重複立候補が認められるのは、候補者届出政党に所属し、かつ衆議院名簿届出政党の比例名簿にも登載される候補者に限られるため、両者は衆議院議員総選挙の運用上ひとつながりの仕組みをなす。
要件と政党単位の選挙運動
候補者届出政党は、衆議院小選挙区選出議員の選挙において所属候補者の届出を行うことができる政治団体で、公職選挙法第八十六条第一項に基づく。届出政党となれる要件は、当該政党に所属する衆議院議員または参議院議員が五人以上であること、または直近の衆議院議員総選挙の小選挙区・比例代表もしくは参議院議員通常選挙の選挙区・比例代表のいずれかで全国で有効投票総数の百分の二以上の得票があったこと、のいずれかであり、政党要件とほぼ同一である。候補者届出政党になると、候補者個人には認められない政党としての選挙運動が可能となる。政見放送や新聞広告を政党名義で行えるほか、選挙運動用自動車やビラ、ポスターについても候補者個人の分とは別枠が認められ、選挙運動の上で要件を満たさない無所属候補や諸派より有利になる。この優遇が一票の格差ならぬ運動上の格差を生むとして、無所属候補との不均衡が争われたこともある。
名簿届出政党との区別と重複立候補
候補者届出政党は小選挙区の候補者を届け出る地位であり、比例代表選挙で候補者名簿を届け出る名簿届出政党とは届出の対象が異なる。両者の要件はほぼ共通するが、同一の政党が小選挙区では候補者届出政党、比例代表では衆議院名簿届出政党として行動するのが通常である。衆議院議員総選挙に固有の重複立候補は、候補者届出政党に所属し、かつ当該政党が衆議院名簿届出政党として届け出た比例名簿にも登載される候補者に限って認められる(公職選挙法第八十六条の二第四項)。このため小選挙区で次点となった候補者が比例代表で復活当選する仕組みは、候補者届出政党と名簿届出政党の二つの地位を同一政党が兼ねることを前提に成り立っている。
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