後援名義とは、自治体が外部団体の催事や事業の趣旨に賛同し、財政負担を伴わずに「後援」として自らの名義の使用を認める関与の形態をいう。
外部団体から「市の後援が欲しい」と申請が来たとき、担当課はどの基準で名前を貸してよいかを判断しなければならない——後援名義はこの「行政が公共性を認めて名前を貸す」関与を制度化したものである。自治体は共催のように主体として責任を負うのでも、補助金のように公金を支出するのでもなく、催事のチラシやポスターに「○○市後援」と表示することを承認するにとどまる。それでも市の名義は信用の裏書きとして働くため、申請団体の性格・事業の公共性・政治や宗教・営利との関わりを後援名義の交付要綱や取扱要領で審査し、首長名や教育委員会名での承認を決裁する。承認すると名義使用のほか会場使用料の減免や広報紙への掲載に結び付く運用も多く、外部催事への関与の入口として担当者が最初に向き合う手続である。承認後に趣旨と異なる使われ方が判明すれば、名義使用の取消しや以後の不承認という対応も要綱に置かれる。
共催・補助金との関与の段階
自治体が外部団体の催事に関わる形態は、関与と責任の深さで段階づけられる。共催は自治体が主催者の一員として企画・運営・予算に加わり責任も分担する最も深い関与であり、補助金は運営には立ち入らず公金を交付して財政面から支える関与である。これに対し後援名義は、公金支出も運営参加もせず、催事の公共性を認めて名義の表示だけを許す最も浅い関与に位置づけられる。三者は排他的ではなく、同一の催事に後援名義と補助金が併せて与えられることもある。担当課は申請内容に照らし、市が運営責任まで負うべきか、公金で支えるべきか、名義の信用だけを貸すべきかを切り分け、催事に見合った形態を選ぶ。後援名義は負担が小さい分、安易な承認が市の信用の乱用につながるため、要綱による線引きが要となる。
後援名義交付要綱による審査
後援名義の可否は、自治体が定める後援名義交付要綱や後援等取扱要領に基づいて審査される。要綱は、事業が市民の福祉増進や文化・産業の振興に資する公共性を持つこと、特定の政党や宗教の支援・布教を目的としないこと、専ら営利を目的としないこと、公の秩序や善良の風俗を害さないことといった承認基準を列挙するのが一般的である。申請は開催前の一定期日までに事業計画書や収支予算書を添えて行わせ、所管課が基準への適合を確認して首長名や教育委員会名で承認する。承認後も、後援の趣旨に反する使用や虚偽申請が判明した場合に名義使用を取り消し、以後の申請を承認しないとする条項を置くことで、市の名義の信用を担保する。
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