緊急一時避難施設とは、国民保護法第百四十八条に基づき、弾道ミサイル攻撃などの際に住民が爆風や破片から身を守るため緊急に避難する施設として、都道府県知事が指定する避難施設をいう。
弾道ミサイルの発射を知らせるJアラートが鳴ったとき、屋外にいる住民はどこへ逃げ込めばよいのか。緊急一時避難施設は、爆風や飛散する破片から直接身を守れる堅牢な建物や地下空間を、都道府県知事があらかじめ国民保護法上の避難施設として指定したものである。コンクリート造の建物や地下街・地下駅といった地下施設が指定され、その多くは武力攻撃事態に至らない平時にも一時的な退避先として使えるよう周知される。災害対策基本法に基づき自然災害からの緊急避難先として指定する指定緊急避難場所とは根拠法も想定する脅威も異なり、爆風等への防護という観点から地下施設が重視される点に特徴がある。市町村は指定状況を住民へ周知し、Jアラート受信時の行動と結び付けて啓発する。
指定緊急避難場所・一時滞在施設との違い
緊急的に逃げ込む施設には名称の似た区分が複数あり、根拠法と想定する事態で使い分ける。緊急一時避難施設は国民保護法に基づき武力攻撃やテロ(緊急対処事態)を想定して都道府県知事が指定する施設で、爆風・破片からの防護を重視するため地下施設や堅牢な建物が中心となる。これに対し指定緊急避難場所は災害対策基本法に基づき洪水・津波・土砂災害など自然災害の切迫時の避難先として市町村が指定するもので、災害種別ごとに指定される。さらに一時滞在施設は、大規模災害時に行き場を失った帰宅困難者を一時的に受け入れる施設で、想定する対象者が異なる。実務では、住民向けの啓発や避難施設一覧の整備にあたって、これらを混同せず「武力攻撃・テロ向け(緊急一時避難施設)」「自然災害向け(指定緊急避難場所)」「帰宅困難者向け(一時滞在施設)」と整理して周知することが要点となる。
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