ジチテン

検診命令

読み:けんしんめいれい

意味

検診命令とは、生活保護法第28条にもとづき、保護の要否や程度の判定のため、福祉事務所が被保護者または保護の申請者に対し指定する医師等の検診を受けるよう命じる処分をいう。

稼働能力の有無に争いがあるとき、福祉事務所はどう判断するのか。検診命令は、保護の決定・実施のために必要があるとき、福祉事務所が要保護者に対して指定する医師・歯科医師の検診を受けるよう命じる行為で、稼働能力の評価や傷病の状態の確認に用いられる。主治医意見書だけでは判断が難しい場合や、本人の申し立てと診療内容に食い違いがある場合などに行われ、検診の結果は保護の要否・程度や就労可能性の判断材料となる。検診に要する費用は福祉事務所が負担する。正当な理由なく検診を拒んだ場合は、保護の申請却下や、保護の変更・停止・廃止の検討につながりうる。実務では、検診を命じる必要性の見極め、検診先医療機関の確保、検診結果の評価と援助方針への反映が事務の柱となり、本人の心身の負担に配慮しつつ客観的な判断材料を得る手段として位置づけられる。

検診命令が用いられる場面

検診命令は、保護の要否や程度の判定に医学的な確認が欠かせない場面で用いられる。代表的なのは稼働能力の評価で、働けるか否か、どの程度の就労が可能かをめぐって本人の申し立てと提出された主治医意見書だけでは判断しがたい場合に、福祉事務所が指定する医師の検診によって客観的な所見を得る。傷病の継続状況の確認、障害の程度の把握などにも用いられる。検診に要する費用は福祉事務所の負担であり、本人に経済的負担を負わせない。検診の結果は、保護の決定・変更や就労支援の方針、援助方針会議での検討に反映される。

拒否した場合の取扱いと留意点

要保護者が正当な理由なく検診命令に従わない場合、福祉事務所は保護の申請を却下し、または既に保護を受けている被保護者については保護の変更・停止・廃止を検討することができる。ただし検診は本人の心身に一定の負担を伴うため、命令の必要性を慎重に見極め、検診先や日程について本人の事情に配慮する必要がある。検診命令は処分であるため、これに不服がある場合は審査請求の対象となり、福祉事務所は処分にあたって教示を行う。客観的な判断材料を得る手段である一方、安易な発令は本人との信頼関係を損なうため、主治医意見書など他の資料で足りるかをまず検討したうえで用いる。

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