ジチテン

建設業法

読み:けんせつぎょうほう

意味

建設業法とは、建設業を営む者の資質向上と建設工事の請負契約の適正化を図り、施工の適正を確保して発注者を保護することを目的とする法律(昭和24年法律第100号)である。

公共工事の契約担当が業者の資格や施工体制を確認するとき、その根拠の多くは建設業法に行き着く。建設業の許可、技術者の配置義務、一括下請負の禁止施工体制台帳の作成、経営事項審査といった公共調達の前提条件は、いずれもこの法律が定める。建設業法は元請と下請の力関係に着目し、下請代金の支払や不当な取引の制限について元請に重い責務を課す点に特徴がある。発注機関が入札参加資格審査建設業許可の有無や業種を点検し、契約後に主任技術者監理技術者の専任を求めるのも、すべて同法の規律を契約事務に落とし込んだものである。1949年の制定以降、ダンピングや手抜き工事、下請へのしわ寄せといった建設市場の構造的問題に応じて改正を重ねており、近年は技能労働者の処遇改善や担い手確保を柱とする改正が続いている。

許可・技術者配置・施工体制の三本柱

建設業法が公共工事の契約事務に及ぼす規律は、大きく許可制度、技術者の配置義務、施工体制の確保の三つに整理できる。第3条は一定規模以上の工事を請け負う者に建設業許可を義務付け、土木一式・建築一式を含む29業種ごとに大臣許可と知事許可を区分する。第26条は工事現場ごとに主任技術者または監理技術者を置くことを求め、公共性のある重要な工事ではこれらの技術者を専任とすることを義務付ける。さらに一定額以上を下請に出す元請は施工体制台帳を作成して下請関係を明らかにしなければならない。発注機関はこれらの規定を入札参加資格審査と契約後の監督に組み込み、無許可業者の排除や名義貸し・丸投げの防止を図っている。

一括下請負の禁止と下請保護

建設業法は元請が請け負った工事を一括して他者に請け負わせる一括下請負(丸投げ)を原則として禁止する。発注者は元請の技術力と責任を見込んで契約しているため、実質的な施工を丸ごと第三者に移すことは契約の信頼を損なうという趣旨である。あわせて同法は下請代金の支払期日や前払金を受けた元請の下請への配慮、不当に低い請負代金の禁止など、優越的地位にある元請から下請を保護する規定を置く。公共工事ではこれらの規定が公共工事標準請負契約約款入札契約適正化法と連動し、下請へのしわ寄せを抑える仕組みとして機能する。違反した建設業者には監督処分(指示・営業停止・許可取消し)が課されることがあり、発注機関の指名停止の事由にもなる。

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