建設地方債とは、地方財政法第5条により発行が認められる、公共施設の建設等の財源に充てる地方債である。
自治体は将来世代に負担を先送りする地方債をどんな目的でも発行できるわけではない。地方財政法第5条は、地方の歳出は原則として地方債以外の歳入で賄うべきこと(非募債主義)を本則とし、その例外として地方債を発行できる経費を限定列挙する。この第5条各号に該当する経費、すなわち公営企業の経費、出資金・貸付金、地方債の借換え、災害復旧事業費、そして公共施設・公用施設の建設事業費等に充てる地方債が建設地方債である。建設事業のように後年度の住民も便益を受ける資産を形成する経費に限って起債を認めることで、世代間の負担の公平を図る考え方を建設公債の原則と呼ぶ。これに対し、経常的な赤字を埋めるための地方債は本来認められず、臨時財政対策債のように特別法で認められたものが赤字地方債(特例債)として例外的に発行される。
地方財政法第5条と起債対象の限定
地方財政法第5条本文は、地方公共団体の歳出は地方債以外の歳入をもって財源としなければならないと定め、地方債への安易な依存を戒める。その上で但書が、例外的に地方債を財源とできる経費を各号で限定列挙する。具体的には、(一)交通・ガス・水道その他地方公共団体の行う企業に要する経費、(二)出資金及び貸付金、(三)地方債の借換えに要する経費、(四)災害応急事業費・災害復旧事業費・災害救助事業費、(五)学校その他の文教施設・厚生施設・公共施設等の建設事業費及び公共用・公用に供する土地の購入費である。これらは資産形成や緊急の財政需要に対応するもので、経常経費の赤字補填を起債で賄うことは原則として認められない。
建設公債の原則と世代間負担の公平
建設事業に充てる地方債の発行を認める根拠は、世代間負担の公平にある。道路・学校・庁舎のように長期間にわたり便益を生む資産は、建設時点の住民だけでなく将来の住民も利用する。その財源を建設時の税で全額賄えば現在の住民だけが負担することになるため、地方債で調達して償還を後年度に分散させ、便益を受ける将来世代にも負担を求めることが公平にかなう。この考え方を建設公債の原則と呼び、地方財政法第5条の限定列挙はこれを制度化したものである。一方、経常的経費の赤字を地方債で穴埋めする赤字地方債は、便益と負担の対応関係を欠くため原則禁止され、臨時財政対策債などは地方財政の財源不足に対応する特例として個別の法律で認められている。
つながりのある用語
関連
ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)