権利取得裁決とは、収用委員会が土地収用の手続きにおいて、収用する土地の区域・起業者が取得する権利・損失補償の額・権利取得の時期を定める裁決である(土地収用法第48条)。
公共事業のために土地を強制的に取得する局面では、いつ・どの範囲の権利が・いくらの補償で起業者に移るのかを公的に確定しなければならない。権利取得裁決は、収用委員会が起業者の取得する権利と補償額を定め、その権利取得の時期を確定する判断である。任意の用地交渉がまとまらないときに収用裁決の申請を経て行われ、もう一つの明渡裁決と対をなす。権利取得裁決で定められた時期が到来すると、起業者は補償金の支払いを条件に土地の所有権を取得する。用地取得を担う部署が任意買収と並行して把握しておくべき、収用手続きの核心となる処分である。
権利取得裁決が確定するもの
権利取得裁決は、土地収用の手続きで起業者が土地の権利を取得する条件を確定する裁決である。収用委員会は、収用する土地の区域、起業者が取得する権利の内容、所有者・関係人に支払う損失補償の額、そして権利取得の時期を裁決で定める。この時期が到来すると、起業者は補償金の支払いを条件に、土地の所有権その他の権利を原始取得する。任意の用地交渉が成立しない場合に、事業認定を前提として収用裁決の申請を行い、その審理を経て下されるものであり、私有財産の強制的な移転を公正な補償と引き換えに正当化する手続きの中核に位置する。
明渡裁決との役割分担
土地収用の裁決は、権利取得裁決と明渡裁決の二つに分かれている。権利取得裁決が権利の移転と補償額・取得時期という「権利関係」を確定するのに対し、明渡裁決は土地の引渡しや物件の移転の義務とその期限という「占有の移転」を確定する。両者は同一の収用手続きの中で併存し、起業者は権利取得裁決で土地の権利を取得し、明渡裁決で定められた明渡しの期限までに現実の引渡しを受ける。実務では、補償交渉が難航する物件について、土地調書・物件調書の作成を起点に裁決手続きへ進み、二つの裁決によって取得と明渡しを段階的に実現していく流れになる。
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