契約締結伺とは、入札・見積合わせ等で相手方と契約金額が確定した後、その内容で契約を締結してよいかを内部の決裁に付す起案文書である。落札結果・契約金額・契約の相手方・契約条項を記載し、決裁を経て本契約の締結に進む。
落札者が決まっても、その場で契約が成立するわけではない。落札という事実を踏まえ、誰と、いくらで、どのような条件で契約を結ぶのかを改めて文書にまとめ、組織として契約締結の意思を確定させる決裁が要る。契約締結伺は、この最終の意思決定を担う文書である。
契約締結伺には、起工伺で定めた発注内容、入札・見積合わせの結果(落札者・落札金額・落札率)、契約の相手方の商号・所在地、契約金額、契約保証金や履行保証の取扱い、契約条項や約款の別を記載する。決裁が下りると契約書を作成し、相手方と記名押印(電子契約では電子署名)を交わして契約が成立する。
起工(発注の着手)の決裁と締結(契約の確定)の決裁を二段に分ける運用では、起工伺で発注方針を、契約締結伺で確定した契約内容を、それぞれ決裁権者が確認する。両者で予定価格と契約金額の整合や、参加資格・指名理由との一貫性が点検される。
起工伺との二段決裁
発注事務では、発注に着手する段階の起工伺と、相手方・金額が確定した段階の契約締結伺の二段で決裁を経る運用が広く採られる。起工伺は予定価格・契約方法・財源といった発注方針を確定し、契約締結伺は入札・見積合わせの結果を踏まえて確定した契約の相手方・契約金額・契約条項を確定する。二段に分けるのは、発注の適否(必要性・財源・方法)と、契約相手・契約条件の適否を別の局面で点検するためである。少額随意契約など簡易な案件では起工伺の決裁に契約締結の決裁を含めて一段で処理する団体もあり、二段とするか一段とするかは契約事務規則・専決規程で定まる。仮契約を要する案件(議会の議決を要する大規模工事など)では、契約締結伺の決裁後にいったん仮契約を締結し、議決を停止条件として本契約に移行する。
契約締結伺の記載と契約の成立
契約締結伺には、件名、入札・見積合わせの執行結果(落札者・落札金額・落札率・予定価格との対比)、契約の相手方の商号・所在地・代表者、契約金額(税抜・税込)、履行期限・履行場所、契約保証金または履行保証の取扱い、適用する約款や契約条項を記載する。決裁が下りた後に契約書を作成し、双方が記名押印または電子署名を交わした時点で契約が成立する。地方自治法第234条第5項は、契約書を作成する場合は双方が記名押印しなければ契約は確定しないと定めており、決裁が下りても契約書の取り交わしを欠けば契約は成立しない。契約金額が一定額を超える工事・製造の請負などは同法第96条により議会の議決を要し、議決前は仮契約にとどめる扱いとなる。
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