ジチテン

景観協定

読み:けいかんきょうてい

意味

景観協定とは、景観法第81条以下に基づき、景観計画区域内の土地所有者等が建築物・工作物の形態意匠や色彩、敷地の緑化などに関する基準を全員の合意で取り決め、景観行政団体の長の認可を受ける協定である。認可の公告後は区域内の土地を取得した者にも効力が及ぶ。

良好な景観を守ろうとしても、景観計画による行政の規制だけでは、住民が望むきめ細かな街並みのルールまでは届かないことがある。景観協定は、地域の住民や地権者が自ら景観のルールを取り決め、行政の認可によって法的な裏づけを与える、住民協働型の景観形成の仕組みである。

協定では、建築物や工作物の形態意匠・色彩・高さ、垣や柵の構造、敷地内の緑化、屋外広告物の表示などについて、区域内の土地所有者等が基準を定める。協定は景観計画区域内で結ぶことができ、土地所有者等の全員の合意を要件とし、景観行政団体の長の認可を受けて効力を生じる。認可の公告後は、協定区域内の土地を新たに取得した者にも効力が及ぶ承継効を持つ点が、当事者しか拘束しない任意の取り決めと決定的に異なる。

この承継効により、協定締結時の関係者が入れ替わっても街並みのルールが世代を超えて維持される。守りたい対象が建物そのものなら建築協定、緑なら緑地協定、街並みの見た目なら景観協定、と整理して窓口で案内することになる。協定区域に隣接する土地を後から加える協定区域隣接地の仕組みも用意されている。

承継効を支える認可と全員合意

景観協定の実務上の核心は、認可の公告後に区域内の土地を取得した者にも効力が及ぶ承継効にある。根拠法を持たない任意の景観ルールは契約当事者しか拘束せず、相続や売買で当事者が入れ替わると形骸化するが、景観協定は景観行政団体の長の認可という公的手続を経ることで、後から土地を買った者にも基準を守らせることができる。この承継効を得るための要件が、協定区域内の土地所有者等の全員の合意である。一人でも反対する地権者がいれば協定は成立せず、合意形成の手間は大きいが、その重さこそが世代を超えて街並みを維持する効力の裏づけになっている。建築協定(建築基準法)や緑地協定(都市緑地法)と同じ構造を景観の分野で用意したものといえる。

景観計画・景観計画区域との関係

景観協定は景観計画区域内でのみ結ぶことができ、景観法に基づく景観行政団体の枠組みのなかに位置づけられる。景観行政団体が定める景観計画が、届出・勧告や形態意匠の認定といった行政による規制の枠を区域全体に設けるのに対し、景観協定は、その区域内の特定の街区や住宅地で、住民自らがより詳細で踏み込んだルールを上乗せする手段として働く。両者は対立するものではなく、行政の規制と住民の自主的ルールを重ね合わせて、地域の景観を多面的に守る関係にある。したがって景観協定を案内する際は、まず当該区域が景観計画区域に含まれているか、景観行政団体がどこかを確認することが出発点になる。

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