課税団体とは、ある税目について課税権を有し、賦課徴収を行う権限を与えられた国又は地方公共団体をいう。
同じ所得や財産に対して、誰がどの税を課すのか。納税者から見て紛らわしいこの関係を整理する概念が課税団体である。地方税法は税目ごとに、それを課す主体が都道府県か市町村かを定めており、たとえば固定資産税の課税団体は原則として市町村、自動車税種別割の課税団体は都道府県となる。同一の課税客体に複数の団体の税が及ぶ場合でも、それぞれの課税団体は別個に課税権を行使するため、二重課税に当たるか否かは課税客体や課税標準の異同で判断される。法定外税の創設審査や、複数の自治体にまたがる事業所への事業所税の課税では、どの団体が課税団体となるかの確定が手続の出発点となるため、課税権の帰属を示すこの概念は地方税実務の基礎をなす。
税目ごとに法定される課税団体
地方税法は、税目ごとにその課税団体を都道府県又は市町村として法定する。固定資産税・市町村民税・都市計画税・軽自動車税は市町村が、自動車税種別割・不動産取得税・道府県民税は都道府県が課税団体となる。納税義務者から見ると、同じ自動車に都道府県の自動車税種別割と国の自動車重量税が課されるなど、複数の課税団体の税が並存することがあるが、これは課税客体や課税の根拠が異なるためであり、課税権の競合や二重課税には当たらない。課税団体を取り違えると、納税通知書の発付主体や不服申立ての相手方を誤ることになる。
課税権の帰属を画定する局面
課税団体の確定が論点となるのは、課税客体が複数の自治体にまたがる場合である。事業所税では事業所等が所在する指定都市等が課税団体となり、複数市にまたがる事業者は事業所ごとに課税団体を判定する。法人住民税・法人事業税では、複数の都道府県・市町村に事務所を有する法人について、従業者数等を基準とする分割によって各課税団体への帰属税額を按分する。法定外税を新設する際の総務大臣の同意審査でも、課税団体の課税権の及ぶ範囲と他団体の課税との関係が吟味され、課税団体の画定が制度設計の前提となる。
ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)