ジチテン

活動火山対策特別措置法

読み:かつどうかざんたいさくとくべつそちほう

別名:活火山法
意味

活動火山対策特別措置法(活火山法)とは、火山活動による災害から国民の生命・身体を守るため、火山防災協議会の設置や避難確保計画の作成義務などを定める法律である(昭和48年法律第61号)。

火山は噴火の前兆から避難までの時間が極端に短いことがあり、平時に避難の段取りを詰めておかなければ被害を防げない。御嶽山噴火で多数の登山者が犠牲になったことを契機に、活動火山対策特別措置法は警戒避難体制の整備を法的に義務づける方向へ大きく改正された。

常時観測が必要な火山の周辺自治体には、気象庁・自治体・火山専門家らで構成する火山防災協議会の設置が義務づけられ、噴火警戒レベルに応じた避難計画を共同で検討する。協議会のある地域では、市町村地域防災計画に避難場所・避難経路を定め、集客施設や要配慮者利用施設の管理者には避難確保計画の作成と避難訓練の実施が課される。火山という、地震や水害とは時間軸も前兆も異なる災害に特化した警戒避難の枠組みを用意している点に特徴がある。

御嶽山噴火を契機とした改正

活動火山対策特別措置法は昭和48年に制定されたが、長く施設整備や降灰対策が中心で、警戒避難体制の規定は手薄だった。これを大きく変えたのが平成26年の御嶽山噴火である。紅葉シーズンの休日昼に水蒸気噴火が起き、多数の登山者が逃げ遅れて犠牲になったことで、火山特有の「前兆が乏しく避難の猶予が短い」リスクへの備えの欠如が露呈した。これを受けた平成27年の改正で、常時観測対象の火山周辺自治体への火山防災協議会の設置義務、市町村による避難計画の地域防災計画への位置づけ、集客施設・要配慮者利用施設の管理者による避難確保計画の作成義務などが新設された。災害が起きてから制度が具体化したという点で、火山防災の到達点と限界を映す法律である。

火山防災協議会を軸とした体制

改正後の活火山法の中核は火山防災協議会である。これは気象庁・国の機関・都道府県・市町村・火山専門家・警察・消防などが一体で火山ごとの警戒避難体制を検討する常設の協議の場で、噴火警戒レベルとそれに対応する避難行動をあらかじめ取り決める。協議会で検討された避難計画は市町村の地域防災計画に反映され、噴火警戒レベルの引上げが発表されると、それに紐づく入山規制や避難が動き出す。火山は同じ山でも噴火様式や影響範囲が大きく異なるため、全国一律でなく火山ごとに体制を作り込むこの仕組みが採られている。観測・警報を出す気象庁と、避難を判断・指示する市町村とを協議会が橋渡しする構造になっている。

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