ジチテン

完成払

読み:かんせいばらい

別名:完成払い
意味

完成払とは、工事や業務委託の代金を、給付の完了と検査の合格を確認したうえで全額支払う、公共契約の代金支払いの原則的方法である。

工事の代金をいつ払うか、という問いに自治体の支出事務は明確な答えを置いている。給付が完了し、検査に合格してから払う。これが完成払であり、前金払部分払出来高払はいずれもこの原則に対する政令上の例外として位置づけられる。なぜ後払いを原則とするかといえば、対価は反対給付が現実に履行されて初めて生じるという債権債務の建前を、公金支出の場面で徹底するためである。完成前に払えば、相手方の倒産や工事の未完成によって自治体が支払った公金の見合いを失う危険が残る。完成払では、検査職員設計図書どおりの目的物の引渡しを確認し、その検査調書を受けて支出命令が起こされるため、過払いの危険が構造的に小さい。担当者がまず押さえるべきは、自分が扱う契約が完成払なのか例外的な前払・部分払を組み込んでいるのかであり、それによって検査と支出のタイミングが大きく変わる。

後払いを原則とする根拠

完成払が原則とされるのは、地方自治法第232条の5が経費の支出を「契約その他の行為の履行を確認した後」に行うことを建前とし、これを承けた地方自治法施行令が前金払・概算払・部分払などを限定列挙の例外として認める構造をとるためである。すなわち例外規定に当たらない限り、自治体の支出は給付の完了確認後の一括後払いに帰着する。工事請負では、受注者からの完成通知を受けて発注者が完成検査を行い、設計図書に適合した目的物の引渡しを確認したうえで請求書を受理し、出納機関が支出する。この一連の確認手続が完成払の本体であり、検査調書という客観的な記録が支払いの根拠となることで、公金の過払いと不当な前渡しを防ぐ。

例外的支払方法との関係

大規模工事や長期にわたる業務では、完成払を貫くと受注者が完成まで多額の資金を立て替えることになり、資金力のある業者しか受注できない弊害が生じる。これを緩和するために、施行令は着手前に一定割合を払う前金払、既完成部分の出来高に応じて払う部分払、特定部分の完成時にその代金を払う部分完成払といった例外を用意する。これらを組み込むときは契約書に支払条件として明記し、前払金には保証会社の保証を付すなど過払い防止の手当てを併せて行う。担当者は、契約ごとにどの支払方法を採るかを設計段階で決め、完成払を基準にしながら前払・部分払をどこまで認めるかを、工事規模と受注者の資金負担に照らして判断する。

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