管理監督職とは、課長補佐相当職以上の職など、組織の管理または監督の地位にある職員の職をいい、給与・勤務時間・退職管理の各制度で一般職員と異なる扱いの対象となる職の総称である。
課長補佐に昇任した職員に時間外勤務手当を支給すべきか、その職員は60歳で役職定年の対象になるのか。この問いに答える鍵は、その職が管理監督職に当たるかどうかの線引きにある。管理監督職は単一の法令が一義的に定義する語ではなく、自治体が給与条例や規則で「課長補佐相当職以上」などと範囲を定め、その範囲の職に対して管理職手当を支給し、時間外勤務手当を支給しない扱いを採る。さらに地方公務員法の管理監督職勤務上限年齢制(役職定年制)は、この管理監督職にある職員を原則60歳で管理監督職以外の職へ降任させる仕組みであり、対象職の画定が制度の前提になる。労働基準法第41条の管理監督者と重なる概念ではあるが、自治体実務では給与・役職定年・労働時間の各場面で「どの職までを管理監督職とするか」が条例・規則に委ねられている点に注意を要する。したがって管理監督職は、管理職手当・役職定年・時間外勤務手当という複数の制度を束ねる境界概念として理解する必要がある。
管理監督職の範囲は条例・規則で画定される
管理監督職は法律上の一義的な定義語ではなく、団体ごとに給与条例や勤務時間条例、人事委員会規則等で具体的な範囲を定める。一般には課長補佐相当職以上を管理監督職とする例が多いが、係長級の一部を含めるかどうかなど、線引きは団体ごとに異なる。この範囲の確定が実務上重要なのは、管理職手当の支給対象、時間外勤務手当の不支給、管理監督職勤務上限年齢制(役職定年制)の対象という複数の制度が、いずれもこの「管理監督職に当たるか否か」を起点に適用されるからである。範囲を条例・規則のどこで定めているかを押さえないと、特定の職位の職員にどの扱いが及ぶかを正確に判断できない。
時間外勤務手当・役職定年との接続
管理監督職に当たる職員は、労働基準法第41条第2号の監督若しくは管理の地位にある者に準じて扱われ、時間外勤務手当および休日勤務手当が支給されない代わりに管理職手当が支給されるのが一般的な整理である。一方で深夜勤務に対する割増賃金は管理監督職であっても支給対象となる点が見落とされやすい。また地方公務員法に基づく管理監督職勤務上限年齢制(役職定年制)は、管理監督職にある職員が原則60歳に達した日以後の最初の4月1日に管理監督職以外の職へ降任または転任する仕組みであり、ここでも対象を画するのが管理監督職の範囲である。給与・労働時間・退職管理という別個の制度が同じ管理監督職という概念を共有するため、範囲をずらすと複数制度の適用が連動して動く点に実務上の注意がある。
ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)