環境再生保全機構(ERCA)とは、独立行政法人環境再生保全機構法(平成15年法律第43号)に基づき、公害健康被害の補償給付に充てる費用の徴収・納付や石綿健康被害の救済、環境保全活動への助成などを行う独立行政法人である。
大気汚染による公害健康被害の補償や、石綿(アスベスト)による健康被害の救済に必要な費用を、原因者から徴収し被害者の認定を担う自治体へ回すのが環境再生保全機構である。公害健康被害の補償については、認定患者への補償給付を支給する都道府県・政令市に対して費用の納付を行い、その財源を汚染原因者である事業者から汚染負荷量賦課金として徴収する。石綿健康被害救済では、労災の対象とならない被害者への救済給付を支給し、その費用を事業者からの拠出金で賄う。公害健康被害補償制度を運用する自治体にとっては、補償給付の財源を受け取る相手方であり、また地球環境基金を通じた民間環境保全活動への助成の窓口にもなる。
公害健康被害補償の費用負担を媒介する仕組み
公害健康被害補償制度では、認定された患者への補償給付は都道府県や政令指定都市が支給するが、その財源は汚染原因者である事業者が負担する。環境再生保全機構は、この費用負担の媒介役を担い、ばい煙発生施設を持つ事業者から汚染負荷量賦課金を、自動車関係から引取税相当分を徴収し、これを給付主体である自治体へ納付する。汚染者負担原則を全国的な資金の流れとして具体化する装置であり、自治体は患者認定と給付支給を担い、機構は財源の調達と配分を担うという役割分担になっている。担当課は、認定患者数や給付実績を機構へ報告し、納付を受ける事務を継続的に行う。
石綿健康被害救済と環境保全活動への助成
機構のもう一つの柱は、石綿による健康被害の救済である。石綿を吸入して中皮腫や肺がんを発症しながら労災保険の対象とならない被害者やその遺族に対し、医療費や療養手当、救済給付金を支給する。その費用は、国・地方公共団体の拠出と、全事業主からの一般拠出金、石綿を多く扱った特別事業主からの特別拠出金で賄われる。被害者の申請窓口は機構が担うが、保健所や地方環境事務所が相談・周知で関わる。加えて機構は地球環境基金を運営し、民間団体が行う環境保全活動への助成も行っており、自治体や地域の環境団体が事業資金を得る窓口にもなっている。
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