会計検査院とは、日本国憲法第90条および会計検査院法(昭和22年法律第73号)に基づき内閣に対し独立の地位を有する憲法上の機関であり、国の収入支出の決算を検査するほか、国が補助金その他の財政援助を与えた者の会計についても検査を行う機関である。
自治体にとって会計検査院は、国庫補助金を受けて実施した事業が後年に実地検査の対象となりうる相手である。会計検査院は内閣から独立した憲法上の機関で、検査官3人で構成する検査官会議と事務総局からなり、国の決算の正確性・合規性・経済性などを検査する。検査の範囲は国の決算にとどまらず、会計検査院法第22条・第23条により、国が補助金や負担金、貸付金などの財政援助を与えた地方公共団体や団体の会計にも及ぶ。このため国費を伴う公共事業や交付金事業では、補助の目的に沿った執行であったか、過大な精算や経理の誤りがなかったかが実地検査で確認され、不適切と判断されれば検査報告に「不当事項」などとして掲記され補助金の返還につながることがある。指摘を受けないためには、補助対象経費の区分経理や証拠書類の保存、入札・契約手続の適正さを事業実施段階から確保しておく必要がある。
自治体の補助事業に検査が及ぶ仕組み(実地検査と検査報告)
会計検査院の検査は国の決算が中心だが、国が補助金・負担金・交付金・貸付金などの財政援助を与えた地方公共団体は、会計検査院法第22条第5号・第23条第1項により検査の対象に含まれる。検査は書面検査と、職員が現地へ赴く実地検査によって行われ、補助の目的に沿った執行か、補助対象外経費の混入や過大精算がないか、入札・契約手続が適正かなどが確認される。問題が見つかると、その年度の検査報告に「不当事項」「意見を表示し又は処置を要求した事項」などの区分で掲記され、国会に報告される。掲記は補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に基づく交付決定の取消し・返還命令の契機となりうるため、自治体側は補助対象経費の区分経理と証拠書類の整備を事業実施の段階から行っておく実務上の必要がある。
独立した憲法上の機関としての地位
会計検査院は、内閣から独立した地位を有する点で他の行政機関と異なる。これは予算を執行する内閣の決算を、その内閣の指揮監督下にある機関が検査したのでは検査の客観性が保てないという考えに基づく。意思決定は検査官3人による合議制の検査官会議が行い、検査官は両議院の同意を経て内閣が任命し、その身分は在任中強く保障される。会計検査院長は検査官のうちから互選される。組織上は検査官会議のもとに事務総局が置かれ、実際の検査事務を担う。決算は会計検査院の検査を経たうえで内閣が国会に提出する建付けであり、検査の結果は検査報告として内閣に送付され、決算とともに国会の審査に付される。
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