過誤調整とは、介護給付費や診療報酬の請求にいったん確定支払がなされた後、請求内容の誤りが判明したとき、事業者の過誤申立に基づき国保連等が当該請求を取り消して再請求や減額をやり直す事後是正の手続をいう。
国保連から「先月支払った介護給付費に誤りがあった」と連絡が来たとき、事業者と保険者の間でその金銭を巻き戻す段取りがこの過誤調整である。レセプトや給付管理票は審査の段階で不備が見つかれば返戻されるが、いったん審査を通って支払が確定した後に区分支給限度額の超過やサービスコードの誤り、ケアプランとの不整合が発覚することがある。この場合は事業者が過誤申立書を保険者(市町村)へ提出し、保険者がこれを受けて国保連へ過誤情報を送ると、確定済みの給付費がいったん取り下げられ、正しい内容での再請求や減額が翌月以降の支払で相殺される。返戻が「支払前の差し戻し」であるのに対し、過誤調整は「支払後の取消・再計算」である点が実務上の分かれ目になる。担当者にとっては、同月過誤と通常過誤で相殺のタイミングが変わること、利用者の自己負担にも遡って影響が及ぶことを押さえておく必要がある。
返戻との違いと過誤申立の流れ
過誤調整は、審査支払の段階で不備を理由に受理せず差し戻す返戻とは時点が異なり、いったん確定・支払済みとなった請求を事後に取り消して計算し直す手続である。介護保険では、事業者が誤りに気づくと過誤申立書を保険者である市町村へ提出し、市町村が国民健康保険団体連合会(国保連)へ過誤情報を伝送する。国保連は対象の給付費をいったん取り下げ、事業者は正しい内容で再請求を行い、過誤による減額分は翌月以降の支払額と相殺される。相殺の方法には、取下げと再請求を同じ月に処理して差額のみを調整する同月過誤と、取下げの翌月以降に再請求する通常過誤があり、事業者の資金繰りや利用者負担の精算時期が変わるため、どちらで処理するかを事前に保険者と確認することが多い。
利用者負担・給付管理への波及
過誤調整の対象が区分支給限度基準額の超過やサービス内容の誤りである場合、保険給付分だけでなく利用者の自己負担(原則1〜3割)にも遡って影響する。給付費が減額されれば過大に受領していた給付分の返還と利用者への追加請求や過払い返金が生じ、逆に過少請求であれば追加給付と自己負担の精算が必要になる。ケアマネジャーが作成する給付管理票と事業者のサービス提供実績が食い違っていると過誤が連鎖するため、調整にあたっては給付管理票の修正と各事業者の再請求を同じ月に揃える必要がある。事務処理を誤ると保険者・国保連・複数事業者の間で金額が合わなくなり、解消に数か月を要することもある。
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