ジチテン

稼働能力の活用

読み:かどうのうりょくのかつよう

意味

稼働能力の活用とは、生活保護の補足性の原理のもとで、働く能力のある被保護者がその能力に応じて就労等に努めることを保護の要件とする考え方をいう。

働ける人が生活保護を受けるとき、本人は何を期待されるのか。生活保護は、利用しうる資産・能力その他あらゆるものを最低生活の維持に活用することを要件とする補足性の原理に立ち、稼働能力の活用はその「能力」の活用を指す。福祉事務所は、被保護者稼働能力があるか、その能力を活用する意思があるか、実際に活用する就労の場を得られるかの三点を総合して判断する。能力があっても求人がなく就労の機会を得られない場合は、活用していないとはいえず保護は継続される。実務では、就労可能と見込まれる被保護者への就労支援被保護者就労支援事業就労自立給付金など)、求職活動状況の確認、必要に応じた指導指示が事務の柱となる。能力の有無は医学的・社会的に慎重に評価すべきもので、画一的に就労を強いると保護の趣旨を損なうため、本人の状況に即した支援と判断が欠かせない。

稼働能力の活用をめぐる三つの判断

稼働能力の活用は、補足性の原理(生活保護法第4条)が定める「能力の活用」を具体化したもので、福祉事務所の実務では三段階で判断される。第一に被保護者に稼働能力があるか(年齢・健康状態・障害の有無などからの医学的・社会的評価)、第二にその能力を活用する意思があるか(求職活動の状況など)、第三にその能力を活用する就労の場を得られるか(地域の求人状況など)である。三点をすべて満たさない限り「能力を活用していない」とはいえず、たとえば働く意思があり求職しても就労先が得られない場合は活用要件を欠くとはされない。稼働能力の評価は本人の生活歴や病状を踏まえて慎重に行う必要があり、画一的な就労強制は保護の趣旨に反する。

就労支援・指導指示との関係

稼働能力があると判断された被保護者には、福祉事務所が就労に向けた支援を行う。被保護者就労支援事業による相談・求職活動の伴走、就労準備支援、一定の就労収入があった場合に保護脱却を後押しする就労自立給付金などが用意される。支援を重ねても正当な理由なく就労や求職に応じない場合には、生活保護法第27条にもとづく指導指示を文書で行い、なお従わないときは保護の変更・停止・廃止の検討に至ることがある。ただし不利益処分の前には弁明の機会の付与など適正手続が求められ、就労指導は懲罰ではなく自立助長を目的とすることを踏まえた運用が欠かせない。

つながりのある用語

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