住宅金融支援機構(じゅうたくきんゆうしえんきこう)とは、民間金融機関による長期固定金利住宅ローンの供給支援や災害復興住宅融資などを担う、国土交通省・財務省所管の独立行政法人をいう。
被災者から「家を建て直したいが民間ローンが組めない」と相談されたとき、自治体の窓口がまず案内するのが住宅金融支援機構の災害復興住宅融資である。2007年に住宅金融公庫を廃止して発足し、自ら融資する公庫業務から、民間ローンを買い取って証券化する「フラット35」の支援業務へ軸足を移した。ただし災害復興住宅融資・財形住宅融資など、政策上民間で補いきれない分野では現在も直接融資を続ける。自治体にとっては、被災者生活再建支援制度や応急仮設住宅と並ぶ住宅再建支援の選択肢であり、罹災証明書の発行が融資申込みの前提になる場面も多い。災害救助法の適用後は、機構と連携した相談会の開催や、融資条件の特例(金利引下げ・据置期間延長)の周知が市町村の実務になる。
公庫から機構への転換と業務の二層構造
2007年4月、特殊法人改革により住宅金融公庫が廃止され、独立行政法人住宅金融支援機構が発足した。最大の変化は、機構自身が低利で直接貸し付ける旧公庫融資を原則廃止し、民間金融機関の長期固定金利ローンを買い取って住宅金融支援機構債券(MBS)として証券化する「証券化支援業務(フラット35)」へ主軸を移した点にある。これにより民間が長期固定ローンを供給しやすくなる一方、市場原理になじまない政策融資は機構が引き続き担う二層構造になった。自治体が住民対応で接するのは主に後者の直接融資(災害復興住宅融資・財形住宅融資・子育て世帯向け融資など)であり、フラット35は窓口が民間金融機関である点が混同されやすい。
自治体実務での接点——災害復興住宅融資
機構の業務のうち自治体が日常的に関与するのは災害復興住宅融資である。災害により住宅が滅失・損傷した世帯に対し、通常より低い金利・長い据置期間で建設・補修資金を融資する制度で、申込みには市町村が発行する罹災証明書が必要になる。このため災害救助法の適用後は、罹災証明書の交付体制の整備、機構と連携した出張相談会の周知、被災者生活再建支援金や応急修理制度との併給関係の整理が市町村の住宅・防災部門の実務になる。融資はあくまで返済を要する借入であり、給付である支援金とは性質が異なる点を住民に正しく説明することが、相談対応での要点になる。
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