縦覧帳簿とは、固定資産税の納税者が自己の資産の評価額を市町村内の他の資産の価格と比較できるよう、土地・家屋それぞれの所在・価格等を一覧にして縦覧期間中に公開する帳簿である。
自分の土地や家屋の評価額が高すぎないかは、近隣の似た資産と比べてみないと判断できない。固定資産税の縦覧帳簿は、この比較を納税者に保障するための仕組みで、土地価格等縦覧帳簿と家屋価格等縦覧帳簿の2種類がある(地方税法第416条)。市町村は毎年4月1日から最低20日間または納期限までの縦覧期間を設け、その市町村内の納税者本人やその代理人が、自分以外の土地・家屋の所在・地番・地目・地積・価格までを見ることができる。閲覧との違いは公開範囲にあり、各人の課税台帳全体を本人に見せる閲覧に対し、縦覧帳簿は価格の比較に必要な項目に絞って他者の資産まで見せる点が特徴である。縦覧で評価額に疑問があれば、納税者は固定資産評価審査委員会への審査の申出につなげることになる。
縦覧と閲覧の違い
縦覧帳簿は他者の資産の価格まで見られる点で、本人の課税台帳を見せる閲覧と区別される。縦覧(地方税法第416条)は固定資産税の納税者が自己の資産の評価額の妥当性を判断するための制度で、見られるのは所在・地番・地目・地積・価格などの比較に必要な項目に限られ、所有者名は対象外である。一方、固定資産課税台帳の閲覧(同法第382条の2)は、納税義務者本人や借地借家人等が自己に関係する部分を確認する手続で、課税明細書とともに自己の課税内容を把握する手段となる。両者は目的も対象範囲も異なり、縦覧は「比較」、閲覧は「自己確認」と整理できる。市町村の窓口では時期が重なるため、職員は来庁者がどちらを求めているかを最初に切り分ける必要がある。
縦覧期間と審査の申出への接続
縦覧帳簿は毎年4月1日から、20日間または当該年度の最初の納期限の日のいずれか遅い日以後の日までの間、市町村が定める期間で縦覧に供される。納税者がこの期間に自己の評価額を他の資産と比較し、価格が不当に高いと考えた場合は、固定資産評価審査委員会に対して審査の申出を行うことができる。審査の申出は原則として納税通知書の交付を受けた日後3か月以内に限られるため、縦覧期間は納税者が不服申立ての要否を判断する実質的な機会として機能する。市町村は縦覧開始日や場所を広報・ウェブサイトで周知し、本人確認を行ったうえで縦覧に応じる。評価誤りが縦覧で発見されれば、賦課決定の修正や過誤納金の還付につながることもある。
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