浄化槽の法定検査とは、浄化槽法第7条および第11条に基づき、浄化槽管理者が都道府県知事の指定する検査機関の検査を受けて、浄化槽が適正に設置され、その後も水質浄化の機能を維持しているかを確認する義務的な検査である。
浄化槽を設置している住民や事業者から「点検も清掃もしているのに、なぜさらに検査を受けなければならないのか」と問われたとき、自治体の窓口は保守点検・清掃と法定検査が別の制度であることを説明する必要がある。法定検査は浄化槽管理者の責任で行う自主管理(保守点検・清掃)とは異なり、第三者である指定検査機関が浄化槽の機能を客観的に確認する仕組みである。検査には、設置後3か月を経過した日から5か月の間に1回受ける設置後の検査(第7条検査)と、毎年1回受ける定期検査(第11条検査)の2種類がある。検査では外観・水質・書類の3点が確認され、放流水のBODなどを測定して機能を判定する。法定検査の受検率は全国的に低い水準にとどまり、未受検者への指導や受検率向上が自治体の浄化槽行政の実務課題となっている。
第7条検査と第11条検査の違い
第7条検査は、浄化槽を新設または構造・規模の変更をした後、使用開始から3か月を経過した日から5か月の間に1回だけ受ける検査である。設置工事が適正に行われ、当初の性能どおりに機能しているかを確認することが目的で、施工不良の発見に重点が置かれる。これに対し第11条検査は、使用中の浄化槽が毎年1回受ける定期検査で、日常の保守点検・清掃が適切に行われ機能が維持されているかを確認する。両者は受検時期も目的も異なり、第7条検査を受けたからといって第11条検査が免除されるわけではない。検査は都道府県知事が指定した指定検査機関が実施し、保守点検業者や清掃業者とは独立した立場で機能を判定する点が、自主管理である保守点検・清掃と決定的に異なる。
受検率の低迷と自治体の対応
法定検査は浄化槽管理者に法律上義務づけられているが、保守点検や清掃と違って直接の浄化機能に関わらないと誤解されやすく、第11条検査の受検率は全国平均で低い水準にとどまってきた。受検率が低い背景には、検査手数料の負担感、保守点検契約があれば検査も済んでいるという管理者の誤認、未受検でも罰則の運用がほとんどないことがある。浄化槽法は受検しない管理者に対し都道府県知事が助言・指導・勧告・命令を行える仕組みを設けており、自治体は指定検査機関や保守点検業者と連携して未受検者を把握し、受検勧奨の通知を送るなどの取組を行う。近年は単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換促進とあわせて、受検率向上が浄化槽行政の重点課題に位置づけられている。
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