ジチテン

浄化槽法

読み:じょうかそうほう

意味

浄化槽法とは、浄化槽の製造から設置・保守点検・清掃・検査までの規律を定め、その適正な管理によって生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的とする法律(昭和58年法律第43号)をいう。

下水道が整備されていない地域で各戸が設置する浄化槽を、誰がどう維持管理しなければならないのかを定めるのが浄化槽法である。浄化槽法は浄化槽の設置に当たっての届出、設置後の保守点検と清掃の義務、そして第三者機関による法定検査を柱とし、これらの管理によって放流される処理水の水質を確保する。設置者には、保守点検と清掃を定期的に行うことに加え、設置後一定期間内の第7条に基づく検査と、毎年1回の第11条に基づく検査を受ける義務が課される。2000年の改正では、汚水だけを処理し雑排水を未処理で放流する単独処理浄化槽(みなし浄化槽)の新たな設置が原則として禁止され、生活雑排水も併せて処理する合併処理浄化槽への転換が進められることになった。市町村は浄化槽の設置補助や、保守点検・清掃・検査を一括して管理する浄化槽市町村整備推進事業によって関与し、都道府県知事は保守点検業者の登録や清掃業者の許可、法定検査を行う指定検査機関の指定を担う。生活排水処理の選択肢を下水道や農業集落排水と比較するとき、浄化槽法の管理の枠組みが前提になる。

単独処理浄化槽の新設禁止と転換

浄化槽には、水洗トイレの汚水だけを処理する単独処理浄化槽と、台所や風呂などの生活雑排水も併せて処理する合併処理浄化槽がある。単独処理浄化槽は雑排水を未処理のまま放流するため河川などの水質汚濁の一因とされ、2000年の浄化槽法改正により、2001年4月以降は原則として新たに設置することが禁じられた。既設の単独処理浄化槽は法律上「みなし浄化槽」と位置づけられ、設置者には合併処理浄化槽への転換に努める義務が課されている。市町村はこの転換を促すため、設置費用の補助や、老朽化した単独処理浄化槽の撤去費用の助成などの施策を講じている。生活排水処理の普及を考えるうえで、下水道の整備が見込めない地域では合併処理浄化槽の設置が現実的な選択肢となり、浄化槽法はその水準を確保する役割を担う。

法定検査(第7条検査・第11条検査)と維持管理の三本柱

浄化槽の適正な機能を確保するため、浄化槽法は維持管理を保守点検・清掃・法定検査の三本柱で組み立てている。保守点検は装置の点検や消毒剤の補給などを行うもので、都道府県知事の登録を受けた保守点検業者に委託するのが一般的である。清掃は浄化槽内に蓄積した汚泥の引き抜きなどを行うもので、市町村長の許可を受けた清掃業者が担い、通常は年1回以上行う。これらが適正に行われているかを第三者の立場で確認するのが法定検査で、設置後3か月から8か月の間に受ける第7条検査と、その後毎年1回受ける第11条検査がある。検査は都道府県知事が指定する指定検査機関が実施するが、保守点検や清掃を業者に委託していても法定検査の受検義務は別途残るため、設置者がこれを怠る例が少なくないことが実務上の課題となっている。

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