ジチテン

自区内処理

読み:じくないしょり

別名:自区内処理の原則
意味

自区内処理とは、自らの区域内で発生した廃棄物は、その区域内で処理することが望ましいとする考え方をいう。

ごみを自分の地域で処理するのか、それとも他の地域に運び出すのか——廃棄物行政には、発生した区域内で処理するのが原則だとする「自区内処理」の考え方が根強くある。一般廃棄物の処理は市区町村の責任とされ、自らの区域で生じたごみは自らの区域で処理するのが望ましいという原則として語られてきた。この考え方は、ごみの処理という負担を発生地が引き受けるべきだという公平の観念と、他地域への迷惑施設の押しつけを戒める発想に支えられている。一方で、人口減少や施設更新の費用負担から、複数市町村による広域処理を進める動きとは緊張関係に立つ。自区内処理を厳格に貫けば小規模な施設を各市町村が抱えることになり、効率や環境性能の面で不利になるため、近年は自区内処理の原則を緩やかに捉え、広域処理と組み合わせる運用が広がっている。産業廃棄物では排出事業者責任のもとで処理されるため、自区内処理は主に一般廃棄物をめぐる議論として用いられる。

原則の根拠と公平の観念

自区内処理の原則は、廃棄物処理法に明文で定められた法的義務ではなく、一般廃棄物処理に関する行政運用上の考え方として形づくられてきた。その根拠は、一般廃棄物の処理を市区町村の責務とする廃棄物処理法第6条の2の趣旨と、ごみの処理という負担は発生させた地域が引き受けるべきだという公平の観念にある。ごみを安易に他地域へ運び出せば、最終処分場焼却施設を持つ地域に負担が偏り、施設のない地域は負担を免れる不公平が生じる。自区内処理は、こうした負担の押しつけを戒め、各地域がごみと向き合う責任を促す原則として、特に最終処分場の確保が難しい都市部で重視されてきた。

広域処理との緊張と現実的な調整

自区内処理の原則は、近年の広域処理推進の流れと正面から緊張する。ダイオキシン類対策のための施設集約や、人口減少下での施設更新費用の抑制を考えると、各市町村が小規模な施設を区域内に抱える自区内処理は、効率と環境性能の両面で不利になる。このため自区内処理を厳格な義務とは捉えず、複数市町村が一部事務組合などで共同処理する広域処理を、より大きな圏域での「自区内処理」と読み替える運用が広がっている。ただし広域処理であっても、最終処分場や焼却施設の立地市町村に負担が偏る問題は残り、立地市町村への配慮や費用分担の調整は避けられない。災害廃棄物のように自区内では処理しきれない大量の廃棄物が生じる場合には、他地域による広域的な受入れが不可欠となり、自区内処理の原則は柔軟に修正される。

つながりのある用語

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