自己都合退職とは、職員本人の意思に基づき、定年や勧奨によらず自らの都合で願い出て退職することをいう。
同じ依願退職でも、本人の都合で辞める場合と組織の勧奨に応じて辞める場合とで、退職手当の額はなぜ違うのか。自己都合退職は、退職の起点が職員本人の意思にある退職類型であり、退職手当の支給率や早期退職募集制度の適用を判断するうえで、勧奨退職や定年退職と区別される基準となる。手続上は職員が退職願(退職届)を提出し、任命権者が承認して退職辞令を交付する。退職手当条例では、自己都合退職の支給率は定年退職や勧奨退職に比べて低く設定されるのが通例で、勤続年数が短いほどその差は大きい。懲戒免職や分限免職のように処分として職を失うものではなく、職員の自発的な意思に基づく点で、これらの強制的な離職とは性質が根本的に異なる。
退職手当の支給率に表れる区別
退職手当は各団体の退職手当条例で算定方法が定められ、退職事由ごとに支給率(基本額に乗じる割合)が異なる。自己都合退職の支給率は、定年退職・勧奨退職に比べて低く抑えられるのが一般的で、とくに勤続年数の短い段階では大きな差が生じる。これは長く勤め上げた者や組織の都合に応じて退職する者を、自らの都合で早期に辞める者より手厚く処遇するという制度設計の反映である。同じ「本人が願い出る」依願退職であっても、組織からの働きかけに応じる勧奨退職は自己都合退職より有利な支給率が適用される点が、両者を区別する実務上の最大の意味となる。
自発的離職としての位置づけ
自己都合退職は職員の自発的な意思に基づく離職であり、本人が退職願を提出し任命権者が承認することで成立する。この点で、地方公務員法上の処分として職を失う懲戒免職・分限免職や、欠格条項該当により法律上当然に職を失う失職とは性質が異なる。任命権者は退職願を承認するのが通常だが、事務引継ぎや後任配置の都合から退職日の調整を求めることはある。なお、早期退職募集制度に応募して退職する場合は、自己都合ではなく勧奨退職に準じた扱いとして退職手当の割増しが適用されることがあり、自己都合退職と募集応募退職の区別は手当額に直結するため確認を要する。
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