ジチテン

時間外勤務命令簿

読み:じかんがいきんむめいれいぼ

別名:超過勤務命令簿
意味

時間外勤務命令簿とは、職員に対して発せられた時間外勤務(超過勤務)の命令と実績を職員ごとに記録し、時間外勤務手当の支給の根拠とするための帳票である。

残業代をなぜ・何時間分払えるのか、その裏づけを残すのが時間外勤務命令簿である。時間外勤務手当は職員が勝手に居残った時間に対して支払うものではなく、正規の勤務時間を超えて勤務することを所属長などが命じた時間に対して支給される。そのため、命令権者が誰に・いつ・何の業務のために時間外勤務を命じたかと、実際に勤務した時刻・時間数を記録し、命令と実績を突き合わせて手当を計算する帳票が必要になる。それが時間外勤務命令簿であり、超過勤務命令簿とも呼ばれる。事前命令が原則であり、緊急やむを得ず事後に命令を確認する運用をとる団体でも、命令なき時間外勤務に手当は支給できないという建前は崩れない。近年は長時間労働を是正するため、この帳票が時間外勤務の上限規制(月45時間・年360時間等を踏まえた各団体の上限)の管理資料としても用いられ、上限に近づいた職員への注意喚起や、特例業務の適用記録の根拠にもなる。勤怠システムでの打刻・申請履歴に置き換わる団体が増えている。

命令と実績の照合による手当算定

時間外勤務命令簿の核心は、時間外勤務手当が「命じられた勤務」に対してのみ支給されるという原則を担保する点にある。地方公務員の時間外勤務手当は給与条例に基づき、正規の勤務時間を超えて勤務することを命じられた職員に、勤務一時間につき給料等を基礎とする割増率(平日・休日・深夜で異なる)を乗じて支給される。命令簿には命令権者・対象職員・業務内容・命じた時間と、実際の勤務時刻・時間数が記録され、両者を照合して支給時間数を確定する。事前命令が原則であるため、職員が自主的に居残った時間や、命令の範囲を超えて勤務した時間は、原則として手当の対象にならない。この帳票は、サービス残業(命令なき時間外勤務)の有無や、月単位・年単位の時間外勤務の上限の遵守状況を点検する一次資料にもなり、人事委員会の勧告や監査でも記載の適正さが確認される対象である。

上限規制下での管理資料としての役割

働き方改革関連法を受けた地方公務員の時間外勤務の上限規制の導入後、時間外勤務命令簿は手当の算定だけでなく、上限の管理資料としての重みを増している。各団体は規則等で、原則として月45時間・年360時間を上限とし、他律的業務の比重が高い部署や特例業務についてはより高い上限と健康確保措置を定める。命令簿に積み上げられた月ごとの時間数を集計することで、上限に近づいた職員を早期に把握し、業務配分の見直しや所属長への注意喚起につなげる。上限を超えて時間外勤務を命じた場合には、その要因の整理・分析と検証が求められ、命令簿の記録がその検証の出発点になる。手当の支給根拠という会計上の機能と、職員の健康確保という労務管理上の機能を一つの帳票が兼ねる点が、近年の運用上の特徴である。

つながりのある用語

ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)