ジチテン

児童福祉審議会

読み:じどうふくししんぎかい

意味

児童福祉審議会とは、児童福祉法第8条に基づき、児童・妊産婦・知的障害者の福祉に関する事項を調査審議するため都道府県・指定都市に置かれる附属機関であり、市町村は任意で設置できる。

児童相談所が下す施設入所や里親委託といった重い決定を、行政限りで完結させてよいのかという問いがある。児童福祉審議会は、こうした子どもの権利に関わる判断に第三者の合議を介在させ、専門的見地から行政をチェックする仕組みである。

都道府県・指定都市には設置が義務づけられ、市町村は任意で置ける(児童福祉法第8条)。委員は児童福祉に学識経験のある者から任命され、知事や市町村長の諮問に応じて意見を述べるほか、自ら関係者に意見を述べることもできる。実務では、保護者の同意が得られない施設入所等の措置(児童福祉法第27条第1項第3号の措置)に際して意見を聴く対象となり、里親の認定や、施設内虐待である被措置児童等虐待の通告を受けた際の調査・審議でも役割を担う。一時保護の長期化に対する司法審査の導入が進むなかでも、措置の妥当性を専門家の目で吟味する場として位置づけが続いている。なお国レベルの機能は、社会保障審議会を経て2023年のこども家庭庁発足に伴いこども家庭審議会へ移っており、児童福祉法第8条が直接定めるのは都道府県・市町村の審議会である。

措置への関与と第三者性

児童福祉審議会の中核的な役割は、児童相談所が行う措置の妥当性に専門的・第三者的な視点を加えることにある。保護者の意に反して児童を施設へ入所させる児童福祉法第27条第1項第3号の措置をとる場合、都道府県知事はあらかじめ児童福祉審議会の意見を聴かなければならない(同条第6項)。これは、親権者の同意なく親子を分離するという重大な権利制約を、行政機関だけの判断に委ねず、医師・弁護士・学識経験者らの合議による吟味にかける趣旨である。委員には守秘義務が課され、個別ケースの審議は非公開で行われる。一時保護の開始に司法審査(裁判官の判断)を求める制度改正が進むなかでも、保護後の措置の選択については審議会の意見聴取が引き続き手続の要となっており、児童相談所の判断を内部から正当化する装置ではなく外から検証する装置として設計されている点が重要である。

被措置児童等虐待への対応

児童福祉審議会は、施設職員や里親による入所児童への虐待、すなわち被措置児童等虐待の通告・届出を受けた際の調査審議でも機能する。通告を受けた都道府県は事実確認を行い、その結果や講じた措置について児童福祉審議会へ報告し、審議会は必要に応じて意見を述べる(児童福祉法第33条の15)。措置された児童は施設や里親という閉じた環境に置かれ、被害を自ら訴えにくいため、行政の対応が適切だったかを外部の合議体が点検する仕組みが置かれている。この調査審議の対象は、児童相談所が措置した子どもだけでなく、一時保護中の児童も含む。措置を決める場面と、措置先で起きた虐待を検証する場面の双方に同じ審議会が関与することで、子どもの権利擁護を入口と出口の両側で支える構造になっている。

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