ジチテン

一般法

読み:いっぱんほう

意味

一般法とは、特定の人・場所・事項に限らず、ある分野について広く一般的に適用される法令をいい、特定の領域に限って適用される特別法に対する概念である。

ある事務の根拠を探すとき、担当課は個別の特別法だけでなく、その背後で広く適用される一般法を見落としてはならない。一般法は、対象を限定せずある分野全体に及ぶ原則的な法令であり、特定の場面に絞って定められた特別法と対をなす。民法は財産・契約・家族関係を広く規律する私法の一般法であり、行政手続を広く定める行政手続法地方公共団体の組織運営を広く定める地方自治法も、それぞれの分野の一般法として位置づけられる。同一事項について一般法と特別法が競合するときは特別法が優先するが、特別法に定めのない事項については一般法に立ち返って処理することになる。したがって一般法は、特別法が及ばない隙間を埋める受け皿としての役割をもつ。担当課にとっては、目の前の事務を直接定める特別法を確認したうえで、その特別法が沈黙している事項は一般法でどう扱われるかまでさかのぼって押さえることが、適用漏れや解釈の誤りを避ける要点となる。

一般法が果たす補充機能

一般法は、特定の領域に限定されず広く適用される法令であり、その分野の基本的な原則や枠組みを定める。同一事項について特別法が存在する場合は特別法が優先して適用されるが、特別法が定めを置いていない事項については一般法が適用され、特別法の隙間を補う。たとえば行政上の金銭債権の消滅時効について個別法に定めがなければ、地方自治法や民法の一般的な時効規定に戻って判断する。行政手続についても、個別法に特則がない限りは行政手続法という一般法が適用される。一般法は、特別法を含む法体系全体の土台として、明文の特則がない場面を一貫したルールで処理する補充機能を担う。担当課が根拠法を確認する際は、直接の特別法だけを見て足りるとは限らず、その特別法が沈黙する事項について一般法までさかのぼって確認する必要がある。

相対的な区分であること

一般法と特別法の区別は、固定した分類ではなく二つの法令を比べたときの相対的な関係である。ある法令が別の法令に対しては一般法であっても、さらに対象を絞った第三の法令に対しては特別法となりうる。たとえば民法は商法に対して一般法だが、その商法も特定の取引を定めるさらに狭い法令に対しては一般法の側に立つことがある。行政の分野でも、行政手続法は個別の許認可法に対して一般法だが、地方自治体が制定する行政手続条例との関係では別の調整ルールが働く。したがって「一般法か特別法か」を絶対的に決めることはできず、競合する具体的な二つの法令を取り出して、どちらが対象をより限定しているかで判断する。法務担当が適用関係を整理するときは、抽象的に法令の性格を論じるのではなく、競合する法令の対ごとに広狭を比較する姿勢が要る。

つながりのある用語

ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)