違反建築物とは、建築基準関係規定に適合せずに着工・完成し、または使用されている建築物であり、特定行政庁による是正命令などの監督処分の対象となるものである。
建築確認を受けずに着工した、確認内容と異なる施工をした、用途地域に反する用途で使っている——こうした建築物が違反建築物として扱われる。建築基準法は計画段階の確認と施工後の検査で適合を担保するが、その網をくぐった建物に対しては特定行政庁が事後的に是正を求める。違反の態様は、無確認着工、確認内容との不一致、完了検査未了のまま使用、容積率・建蔽率や接道義務の違反など多岐にわたる。是正命令は除却・移転・使用禁止・使用制限などの形をとり、従わなければ行政代執行や罰則につながる。窓口では近隣からの違反通報への対応が実務の起点になることが多い。
違反建築物の典型的な態様
違反建築物は、適合義務に反する状態を一括して指す概念であり、その態様は段階ごとに分かれる。着工段階では建築確認を受けずに工事を始める無確認着工、施工段階では確認済証の内容と異なる施工をする確認内容との不一致が典型である。完成後では、完了検査を受けないまま使用する、用途地域の制限に反する用途で使う、容積率・建蔽率や接道義務といった集団規定に違反するといった態様がある。これらはいずれも建築基準関係規定への不適合という共通点を持ち、特定行政庁が違反の事実を認定したうえで是正を求めることになる。
是正命令と実効性の確保
違反建築物に対して特定行政庁は、建築基準法第9条に基づき、相手方への弁明の機会の付与を経て、除却・移転・改築・使用禁止・使用制限などの是正命令を発する。工事中の緊急の場合には建築監視員が施工停止を即時に命じることができる。是正命令に従わない場合は、行政代執行による除却や罰則の適用といった強制的な手段に進みうるが、既に完成し使用されている建物を実際に取り壊させることは社会的・経済的な影響が大きく、実務では是正の実効性確保が難しい論点になる。是正命令を受けた建築物は違反建築物であることが公示され、登記や取引の場面でも事実上の制約を受ける。
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