一時扶助とは、生活保護の生活扶助のうち、毎月の経常的な需要では賄えない臨時的・突発的な費用に対し、必要のつど認定して支給される扶助をいう。
生活保護で、毎月の保護費ではどうしても足りない出費が生じたとき、どう対応するのか。一時扶助は、生活扶助の一部として、入学・転居・出産・災害などにより臨時に生じる需要に対し、福祉事務所が必要のつど認定して支給する扶助で、毎月定額で支給される経常的な生活扶助とは性格が異なる。被服費、入学準備金、家具什器費、転居に伴う敷金・移送費などが代表で、それぞれ支給できる費目・上限額・要件が定められている。被保護者の申請または福祉事務所の把握により必要性を確認し、対象費目に該当するかを審査して支給を決定する。実務では、どの費目で支給できるか、上限額や要件を満たすか、領収書等による確認をどう行うかの判断が事務の中心となり、画一的に断るのでも漫然と認めるのでもなく、最低生活の維持に真に必要な臨時需要を的確に拾う判断が要る。
経常的経費と一時扶助の違い
生活扶助は、飲食物費・光熱水費・被服費など日常的に必要な経費を賄う経常的経費(毎月定額で支給)と、臨時的・突発的に生じる需要に対応する一時扶助とに分かれる。一時扶助は需要が現実に生じたときに、その費目ごとに定められた要件と上限額の範囲で必要のつど認定して支給される点で、定例の保護費とは異なる。代表的な費目には、保護開始時や転居時の被服費・家具什器費、子の入学に伴う入学準備金、転居の際の敷金や移送費、おむつ代などがある。費目ごとに支給要件・基準額が細かく定められており、福祉事務所はその範囲で支給の可否と額を判断する。
認定の実務と留意点
一時扶助は、被保護者からの申請や福祉事務所の状況把握によって臨時需要を確認したうえで認定する。たとえば子の高等学校等への入学に伴う費用、災害による家財の損失、出産に伴う費用(出産扶助と整理して扱う費目もある)など、生じた事由が支給対象の費目に当たるかをまず判断し、上限額や要否の要件を満たすかを確認する。領収書等による事後確認を求める費目もある。対象となる需要を見落とすと最低生活が維持できなくなる一方、対象外の費目を漫然と認めることもできないため、費目と基準を正確に把握し、被保護者の生活実態に即して必要な臨時需要を的確に拾うことが福祉事務所の役割となる。
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