地方公共団体情報システムの標準化に関する法律とは、住民記録や税などの基幹業務システムについて国が定める標準化基準への適合を地方公共団体に義務づける法律(令和三年法律第四十号)をいう。
なぜ全国の自治体が同じ仕様の業務システムへ移行しなければならないのか。その義務の根拠となるのがこの法律である。同法は、住民基本台帳・地方税・国民健康保険など政令で定める標準化対象事務に係る情報システムについて、国が機能要件などの標準化基準を定め、地方公共団体が運用するシステムをこれに適合させる義務を課す。各府省が所管事務ごとに標準仕様書を策定し、自治体はこれに準拠した標準準拠システムをガバメントクラウド上で利用することが想定されている。従来は団体ごとに独自開発・カスタマイズされていた基幹業務システムを共通化することで、維持費の抑制と制度改正への迅速な対応を狙う。移行の期限や対象事務は政令・基本方針で具体化される。
標準化基準と適合義務の枠組み
同法は、地方公共団体情報システムのうち標準化の対象とする事務(標準化対象事務)を政令で定め、当該事務に係る情報システムが備えるべき機能・様式などの基準(標準化基準)を国が定めると規定する。標準化基準は、各事務を所管する大臣が定める標準仕様書(機能要件・データ要件など)と、デジタル庁・総務省が定める共通的な基準から構成される。地方公共団体は、標準化対象事務に係る情報システムを、この標準化基準に適合させなければならないとされ、適合したシステムが標準準拠システムである。対象は住民基本台帳・選挙人名簿管理・地方税・国民健康保険・介護保険・障害者福祉など、住民生活に直結する基幹業務が中心である。
ガバメントクラウドと移行スケジュール
同法と政府の基本方針は、標準準拠システムを原則としてガバメントクラウド(国が整備する共通のクラウド基盤)上で利用することを求める。これにより、個別の自治体がサーバを保有・運用する負担を減らし、システムの共同利用と運用コストの平準化を図る。移行の期限は基本方針で定められ、当初は令和七年度末を一律の目標としていたが、移行の難易度が高いシステムについては期限を延ばす取扱いが示されるなど、実態に応じた調整が行われている。自治体の情報部門にとっては、対象事務の洗い出し、現行システムと標準仕様の差分(フィット&ギャップ)の分析、データ移行、業務フローの見直しが一連の実務課題となる。
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