法務省とは、法務省設置法(平成11年法律第93号)に基づき2001年1月の中央省庁再編を経て存続した行政機関であり、民事・刑事の基本法制、登記・戸籍・国籍、矯正・更生保護、人権擁護、出入国在留管理などの法務行政を所管する。
自治体にとって法務省は、戸籍・登記・人権・出入国といった住民に身近な事務の制度を所管する相手である。民法・刑法をはじめとする基本法制の立案、不動産登記や商業登記、戸籍・国籍、矯正・更生保護、人権擁護を所管し、これらの多くは自治体の窓口業務と直結する。戸籍事務は市区町村長が処理する第一号法定受託事務であり、その事務の指揮監督は法務局を窓口として法務省が行う。地方支分部局として全国に法務局・地方法務局を置き、登記・戸籍・供託・人権相談の窓口として機能する。外局として出入国在留管理庁を置き、2019年4月に旧入国管理局を格上げして在留外国人の管理を担うようになった。住民基本台帳の外国人記載や多文化共生の施策とも関わるため、自治体の市民課・人権担当が制度の照会先とする場面が多い。
自治体との接点(戸籍事務の指揮監督と法務局)
法務省と自治体の最も濃い接点は戸籍事務である。戸籍の届出受理や記載は市区町村長が処理するが、これは戸籍法に基づく第一号法定受託事務であり、事務の処理基準や是正は法務省・法務局が示す。市区町村の戸籍担当は、届書の受否に迷う事案を管轄の法務局に照会し、その回答や通達に従って処理する。登記事務は法務局が直接担うため自治体の事務ではないが、固定資産税の課税や公有財産の管理で登記情報を参照するなど、実務上の関わりは深い。人権擁護では、法務局と人権擁護委員が人権相談や啓発を担い、自治体の人権・同和対策の担当と連携する。供託や成年後見の登記なども法務局の所管で、住民の手続きの案内先として名が挙がる。
出入国在留管理と多文化共生(在留管理庁)
外国人住民に関わる事務は、2019年4月に法務省の外局として発足した出入国在留管理庁が制度を所管する。在留資格の審査や在留カードの交付は同庁が行い、市区町村は外国人住民を住民基本台帳に記載して住民票を交付する役割を担う。両者は在留資格や在留期間の情報で連携し、転入届の際の在留カードの確認などで結びつく。技能実習や特定技能による外国人労働者の受け入れが広がるなかで、自治体は日本語教育・生活相談・防災情報の多言語化といった多文化共生の施策を進めており、その前提となる在留制度の動向を在留管理庁の方針から把握する。自治体の国際・市民部門にとって、制度改正の照会先・連携先となる機関である。
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