必要即応の原則とは、生活保護法第9条に定める原則で、保護は要保護者の年齢・性別・健康状態などその個人または世帯の実際の必要の相違を考慮し、有効かつ適切に行うとする原則をいう。
保護基準が一律であるなら個々の事情はどう汲み取られるのか、という問いに答えるのが必要即応の原則である。生活保護法第9条は、保護を機械的・画一的に行うのではなく、要保護者の年齢・性別・健康状態など個人や世帯の実際の必要の違いを考慮し、有効かつ適切に行うべきことを定める。基準及び程度の原則が全国統一の基準で需要を測るのに対し、必要即応の原則はその基準の枠内で個別事情を反映させる調整弁として働く。実務では、障害・疾病・出産などの特別な需要に対応する各種加算や一時扶助の支給が、この原則の具体化にあたる。たとえば障害者加算や妊産婦加算は、同じ世帯構成でも特別な需要をもつ者の最低生活費を上乗せする仕組みである。一律基準と個別対応を架橋し、形式的平等が実質的な不平等を生むのを防ぐ役割を果たす。
画一処理の禁止と加算・一時扶助
必要即応の原則は、保護を要保護者の個別事情に即して有効適切に行うことを求め、基準の機械的当てはめによる画一処理を禁じる。これを制度上担保するのが各種加算と一時扶助である。生活扶助には障害者加算・妊産婦加算・母子加算・介護施設入所者加算などがあり、同一の世帯構成でも特別な需要をもつ者には最低生活費が上乗せされる。また入学・転居・出産・被服の補填など臨時的・特別な需要には一時扶助が支給される。これらはいずれも基準及び程度の原則(第8条)が定める基準の枠内で個別の必要に応じた調整を行う仕組みであり、第9条の必要即応を具体化したものである。
四原則の中での調整機能
必要即応の原則は、基準及び程度の原則と表裏の関係に立つ。第8条が需要を全国統一の基準で測定して支給額の客観性を担保するのに対し、第9条は同じ基準のもとでも個人・世帯の実情に差があれば有効適切に対応せよと命じ、客観基準が生む硬直を緩和する。両者を併せ読むことで、全国一律の公平さと個別事情への即応という二つの要請が両立する。実務では、稼働能力の活用を求める際にも年齢・健康状態・地域の雇用情勢を考慮すべきとされ、画一的に就労を強制することは第9条に反する。形式的な基準適用にとどまらず個別の必要を見落とさないことが、窓口・ケースワークの双方で要請される。
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