ジチテン

発注関係事務の運用に関する指針

読み:はっちゅうかんけいじむのうんようにかんするししん

別名:運用指針
意味

発注関係事務の運用に関する指針とは、公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)第22条に基づき国が定める指針で、発注者が予定価格の設定、入札・契約方式の選択、施工状況の確認といった発注関係事務をどのように運用すべきかを具体的に示したものである。品確法が定める発注者の責務を現場で実行できる水準にまで落とし込んだ運用基準であり、すべての発注者に共通の指針として位置づけられる。

品確法は発注者に「適正な予定価格の設定」「ダンピングの防止」「施工状況の確認」などの責務を課すが、条文の文言だけでは何をどこまで行えば責務を果たしたことになるのかが分かりにくい。発注関係事務の運用に関する指針(運用指針)は、この責務を予定価格・入札契約方式施工管理といった事務の流れに沿って具体化し、発注者が日々の調達でとるべき運用を示すものである。品確法第22条に基づき国が定め、市場価格を反映した労務単価の適用、最新の積算基準の使用、低入札価格調査や最低制限価格によるダンピング排除、総合評価落札方式の活用といった項目を横断的に扱う。とりわけ建設業の担い手不足を背景に、適正な利潤を確保できる価格での発注を発注者に促す点が中心に据えられている。適正化指針が入札契約手続の公正さを根拠法に基づき担保するのに対し、運用指針は工事の品質確保と担い手の育成を主眼とし、自治体の小規模な発注機関でも品質確保の水準を一定に保てるよう、発注事務の標準を提示する役割を果たす。

発注者の責務を運用に落とし込む

品確法は第7条で発注者の責務を定め、市場の実態を反映した予定価格の適正な設定、計画的な発注、ダンピング受注の防止、施工状況の確認といった努力を求める。しかし条文は抽象的で、現場の契約担当が「どの単価を使い、どの方式を選び、どこまで確認すれば責務を果たすのか」を判断する基準にはならない。発注関係事務の運用に関する指針は、品確法第22条に基づきこの責務を発注事務の各段階に沿って具体化したもので、最新の公共工事設計労務単価や積算基準の適用、入札契約方式の選択の考え方、低入札価格調査制度・最低制限価格によるダンピング排除、施工状況の確認と工事成績評定の活用などを示す。これにより、専門の積算体制を持たない小規模な発注機関でも、一定水準の発注事務を行えるようにすることを狙う。

適正化指針との使い分け

公共工事に関する国の指針には、品確法に基づく運用指針のほかに、入札契約適正化法に基づく適正化指針がある。両者は予定価格やダンピング対策など重なる論点を扱うが、根拠法と主眼が異なる。運用指針は工事の品質確保と建設業の担い手育成を中心に据え、適正な利潤を見込んだ価格での発注を促すのに対し、適正化指針は入札契約手続の透明性・公正性の確保を主眼とする。自治体の契約担当は、自団体の発注方針や要綱を整備する際に、どの要請が品質確保(運用指針)から来てどれが手続適正化(適正化指針)から来るのかを区別して反映する。運用指針は法改正や担い手対策の進展に応じて改定されるため、発注実務では最新版を参照する必要がある。

ご意見箱(匿名でひとことから投稿できます)