発信主義とは、意思表示や通知について、発信した時点でその効力が生じるとする原則をいう。
申請の取下げや異議の申出を郵送したとき、効力はいつ生じるのか、という実務上の疑問に答えるのが発信主義と到達主義の対比である。発信主義は、書面を発信した時点で効力が確定するとする立場で、発信者にとっては郵便の遅延や不着のリスクを負わずに済む利点がある。これに対し、相手方に到達した時点で効力を認める到達主義が民法上の原則であり、行政法上も処分の通知や送達は到達主義が原則とされる。発信主義は例外的に法律が個別に定める場合に採られ、たとえば期間内の権利行使を保護する趣旨で発信時を基準とする規定が置かれることがある。ある法律関係について発信主義と到達主義のどちらを採るかは法律が明示し、両者は同一の通知に同時には適用されない相互排他の関係に立つ。担当者は、扱う手続の根拠規定がどちらを採用しているかを条文で確認する必要がある。
到達主義との関係と適用場面
意思表示や通知の効力発生時期について、民法は到達主義を原則とし(民法第97条)、相手方に到達した時に効力を生じるとする。行政法上も、処分の通知や書類の送達は名宛人への到達を要するのが原則で、公示送達のような制度はこの到達を擬制する仕組みである。発信主義は、こうした到達主義の原則に対する例外として、法律が個別に定める場合に採られる。発信主義を採る趣旨は、期間内に権利を行使しようとする者が郵便の遅延や不着という自らの支配の及ばない事情で不利益を受けないよう保護する点にある。実務では、扱う手続の根拠条文が効力発生をどちらの時点に置くかを確認し、提出期限の管理や効力発生日の判定を誤らないことが実務の要点となる。両者はある法律関係についていずれか一方のみが適用され、同時に併存しない。
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