ジチテン

排出事業者

読み:はいしゅつじぎょうしゃ

意味

排出事業者とは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)において、事業活動に伴って廃棄物を生じさせる者をいい、その廃棄物を自ら適正に処理し、または許可業者へ適正に委託する責任を負う法律上の主体である。

ある工事や工場操業で出た廃棄物について、処理基準を守る義務やマニフェストを交付する義務は、いったい誰が負うのか。廃棄物処理法はその名宛人を「排出事業者」と定め、事業活動に伴って廃棄物を生じさせた者にその廃棄物の処理責任を負わせる。誰が排出事業者にあたるかは、自ら処理する義務・委託基準を守る義務・産業廃棄物管理票(マニフェスト)を交付する義務・違反時に措置命令を受ける地位が誰に及ぶかを決める起点であり、廃棄物行政の出発点となる概念である。

排出事業者は、産業廃棄物では「その廃棄物を排出する事業者」、事業系一般廃棄物では「事業活動に伴って一般廃棄物を生じさせた事業者」を指す。建設工事のように複数の者が関与する場面では、誰を排出事業者とみるかが長く争われ、廃棄物処理法は元請業者を建設工事に伴い生ずる廃棄物の排出事業者とする旨を明文化している。排出事業者の責任は処理を委託した後も最終処分まで消えず(排出事業者責任)、一定量以上を排出する者は多量排出事業者として処理計画の作成・提出を求められる。自治体の産業廃棄物担当課は、許可審査や立入検査の際に、誰が排出事業者として義務を負う立場かを確かめたうえで指導や処分を行う。

排出事業者の範囲と建設工事の特則

廃棄物処理法は、事業者に対し自らの事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理する義務を課す(第3条第1項)。この義務の名宛人が排出事業者であり、産業廃棄物・事業系一般廃棄物を問わず、廃棄物を生じさせた事業者がこれにあたる。家庭から出る一般廃棄物には排出事業者の概念はなく、その処理責任は市町村にある点が対照的である。誰が排出事業者かが特に問題となるのが建設工事で、発注者・元請・下請が関与するため責任の所在が曖昧になりやすかった。これを受けて廃棄物処理法は、建設工事に伴い生ずる廃棄物については元請業者を排出事業者とみなす旨を定め(第21条の3)、下請負人が自ら運搬する場合の例外を限定的に置くことで、責任の所在を元請に一元化した。自治体の産業廃棄物担当課は、不法投棄不適正処理の事案で、現場の占有者ではなく法律上の排出事業者を特定して指導・処分の対象とする。

排出事業者に課される義務と地位

排出事業者は、自ら処理する場合は処理基準を守る義務を負い、処理を他人に委託する場合は許可業者への委託・委託契約の書面締結・委託基準の遵守を要する(第12条)。産業廃棄物の処理を委託するときは産業廃棄物管理票(マニフェスト)を交付し、処理の終了を確認する義務も負う(第12条の3)。委託基準に違反したり処理状況の確認を怠った排出事業者は、処理業者が不法投棄をした場合でも支障の除去等を命じる措置命令の対象となりうる(第19条の6)。これは、処理を委託しても最終処分まで責任が消えないとする排出事業者責任の表れである。さらに、その事業場で生ずる産業廃棄物の量が一定以上の事業者は多量排出事業者と位置づけられ、産業廃棄物処理計画の作成と都道府県知事への提出・公表が義務づけられる。排出事業者という地位は、これら一連の義務と責任が誰に及ぶかを画する基準として機能する。

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