廃棄物処理施設とは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)に基づき、廃棄物の焼却・破砕・選別・脱水・最終処分などを行うために設置される施設で、一定の種類・規模のものは都道府県知事等の設置許可を要するものである。一般廃棄物処理施設と産業廃棄物処理施設に大別される。
迷惑施設として住民の反対が起きやすい焼却炉や最終処分場を、行政が一定の手続を踏ませて立地させる仕組みがなければ、ごみは行き場を失い不法投棄や不適正処理に流れてしまう。廃棄物処理施設の制度は、施設の構造・維持管理を法定基準で縛り、設置の段階で許可制と周辺環境への影響調査を課すことで、処理能力の確保と生活環境の保全を両立させる。
廃棄物処理法は処理対象によって施設を一般廃棄物処理施設(同法第8条)と産業廃棄物処理施設(同法第15条)に分け、いずれも焼却施設・最終処分場など政令で定める種類・規模に達するものを許可の対象とする。許可権者は原則として都道府県知事(一般廃棄物処理施設は市町村が設置する場合の特例もある)で、申請には生活環境影響調査の結果を添付し、告示・縦覧と住民の意見提出の手続を経る。
設置後も施設は維持管理基準の遵守と記録の保存、最終処分場では廃止までの埋立終了後の維持管理が義務づけられ、基準違反には改善命令や許可取消しが及ぶ。市区町村の環境部局や廃棄物担当課にとっては、自前の清掃工場・処分場の整備と更新、民間施設の許可審査・立入検査の両面で日常的に関わる中核概念である。
一般廃棄物処理施設と産業廃棄物処理施設の区分
廃棄物処理法は施設を処理する廃棄物の種類で二分する。一般廃棄物処理施設は同法第8条に基づき、ごみ焼却施設(処理能力1日5トン以上等)・し尿処理施設・一般廃棄物最終処分場などが対象で、市区町村が自ら設置する清掃工場やクリーンセンターの多くがこれにあたる。産業廃棄物処理施設は同法第15条に基づき、汚泥の脱水・焼却施設や産業廃棄物最終処分場など政令で定める一定規模以上のものが対象となる。同じ焼却炉でも処理する廃棄物の区分で適用条文と許可手続が分かれるため、混合廃棄物を扱う施設では両方の許可が問題となる。なお施設の設置許可と、業として処理を行う廃棄物処理業の許可は別個の許可であり、自ら設置・運営する場合は両方を要することがある。
設置許可の手続と生活環境影響調査
施設の設置許可申請には、その施設が周辺の大気質・水質・騒音・振動・悪臭などに及ぼす影響を事前に調べる生活環境影響調査(ミニアセス)の結果を添付しなければならない。許可権者は申請書と調査結果の写しを告示して縦覧に供し、周辺住民や利害関係者が生活環境保全の見地から意見書を提出できる仕組みを置く。これは環境影響評価法に基づく環境アセスメントとは別系統の手続で、対象や規模が小さい施設にも広く課される点に特徴がある。焼却施設や最終処分場は迷惑施設として立地が難航しやすく、この手続が住民合意形成と紛争予防の場として機能する。許可後も施設の構造基準・維持管理基準への適合が継続的に求められ、最終処分場では埋立終了後も一定期間の維持管理と廃止確認が義務づけられる。
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