ジチテン

議案提出権

読み:ぎあんていしゅつけん

別名:発案権別名:提案権
意味

議案提出権とは、議会の議決すべき事件について議案を作成し議会に提出できる権限のことであり、地方自治法上、長と議員・委員会の双方に認められた発案の権限をいう。

議会で何を審議するかは、誰かが議案として正式に出さなければ始まらない。議案提出権は、議会が議決すべき事件について議案を作って議会へ提出できる権限であり、地方自治法は長と議員・委員会の双方にこれを認める。長は担任する事務について議案を提出でき(第149条第1号)、予算の調製・提出は長の専属とされる(第211条)。一方、議員は予算を除く議案を提出でき、提出には議員定数の十二分の一以上の賛成を要する(第112条)。さらに委員会も所管事務に関し委員会の名で議案を提出できる(第109条第6項)。条例案や意見書決議は議員・委員会側からの提案が中心だが、首長提案の条例案も多く、どちらが発案したかで提案者・賛成要件・修正の扱いが変わる。実務では、議案の冒頭にある提案者の表示と、議員提出に必要な賛成者数を満たしているかの確認が、受理可否を分ける起点になる。

長・議員・委員会で異なる発案の要件

地方自治法は議案提出権を三つの主体に分けて定める。長は担任する事務について議案を提出でき(第149条第1号)、とりわけ予算の調製と提出は長に専属し議員は予算そのものを提出できない(第211条・第112条第1項ただし書)。議員が議案を提出するには議員定数の十二分の一以上の者の賛成を要し(第112条第2項)、提出は文書で行わなければならない。委員会は所管に属する事務についてその委員会の名で議案を提出できる(第109条第6項)。条例案・意見書・決議は議員提出が多いが、首長提案の条例案も実務では大きな比重を占める。提案者が長か議員かによって、議場での提案理由説明答弁を誰が行うか、修正動議の扱いがどうなるかが変わる。

予算の増額修正という限界

議員側の発案権には、予算をめぐる固有の制約がある。予算の提出権は長に専属するため、議会は提出された予算を審議して減額修正することは広く認められる一方、増額修正については長の予算提出権を侵すことができないという限界がある(第97条第2項)。すなわち議会は予算を増額して修正することはできるが、長の予算提出の権限を損なうような増額修正はできないと解されており、款項の新設を伴う大幅な組み替えなどは許されないとされる。この線引き予算審議の実務で繰り返し問題になる論点であり、修正案を作る際には長の編成権との抵触の有無を確認する必要がある。

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