ジチテン

下水道法

読み:げすいどうほう

意味

下水道法とは、下水道の整備を図り、都市の健全な発達と公衆衛生の向上に寄与し、あわせて公共用水域の水質保全に資することを目的に、下水道の設置・管理の基準や排水規制を定める法律(昭和33年法律第79号)である。

「自分の市町村が整備する下水道はどの種類に当たり、事業場の排水にはどの基準が掛かるのか」を判断する起点となるのが下水道法である。同法は下水道を、主として市街地の下水を排除・処理する公共下水道(第2条第3号)、複数の市町村にまたがる流域単位で都道府県が整備する流域下水道(同条第4号)、雨水を排除する都市下水路(同条第5号)の三種に区分する。公共下水道の設置・管理は原則として市町村が担い、流域下水道は都道府県が担うという責任分担も同法に根拠を持つ。事業場が公共下水道へ汚水を流す場合には、同法に基づく下水排除基準(水質基準)の遵守と特定施設の届出が義務づけられ、河川など公共用水域へ直接排出する場合の水質汚濁防止法とは規制の枠組みが分かれる。2014年改正では、人口減少を見据えた広域化・共同化の促進や、運営権を民間へ設定するコンセッション方式の導入など、施設の持続的な管理に向けた制度が整えられた。

下水道の三区分と所管の分担

下水道法は下水道を公共下水道・流域下水道・都市下水路の三種に区分する。公共下水道は主として市街地の下水を排除・処理する施設で、終末処理場を自ら備える「単独公共下水道」と、都道府県が整備する流域下水道の幹線管渠に接続する「流域関連公共下水道」に分かれる。流域下水道は複数市町村の下水を集約処理するため都道府県が幹線管渠と終末処理場を整備するもので、市街地を越える広域処理を担う。都市下水路は雨水の排除を目的とする施設で、終末処理場を備えない点が処理を伴う前二者と異なる。設置・管理の主体は公共下水道が市町村、流域下水道が都道府県と法定されており、住民の使用料負担や供用開始の手続もこの区分に従って決まる。

排水規制と水質汚濁防止法との切り分け

下水道法は施設整備の根拠であると同時に、終末処理場の機能を保護するための排水規制法でもある。終末処理場を備えた公共下水道・流域下水道の管渠は公共用水域から除かれ、事業場がここへ汚水を流す場合は下水道法の下水排除基準が適用され、特定施設の設置届出も同法に基づく。一方、河川・海域など公共用水域へ直接排出する場合は水質汚濁防止法の排水基準が掛かる。同じ事業場の排水でも、放流先が下水道管か公共用水域かで根拠法・基準値・届出先が異なるため、許可や指導の前提として放流経路の確認が欠かせない。下水道へ流す事業者には除害施設の設置や水質測定の義務が課されることもある。

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