学校設置義務とは、市町村が、その区域内に住所を有する学齢児童・学齢生徒を就学させるために必要な小学校・中学校(義務教育学校を含む)を設置しなければならないとする、学校教育法上の義務をいう。
保護者が子を就学させる義務を負うのと表裏で、では学ぶ場である学校は誰が用意するのかを問われたとき、その答えとなるのが市町村の学校設置義務である。学校教育法第38条・第49条は、市町村に対し、区域内の学齢児童・学齢生徒を就学させるのに必要な小学校・中学校を設置する義務を課している。これは、保護者の「就学させる義務」、国・地方の「教育を受けさせる義務」と組み合わさって、義務教育を実質的に保障する制度の一角をなす。市町村は自ら学校を設置するのが原則だが、近隣市町村と組合を設けて共同で設置したり、財政上やむを得ない事情があるときは都道府県教育委員会の認可を得て中学校設置義務の履行を猶予・免除される例外もある。少子化による学校統廃合や、学校規模の適正化、区域外就学の調整といった実務上の判断は、この設置義務を前提に、児童生徒の就学機会をどう確保するかという観点から行われる。
学校教育法が定める市町村の義務
学校設置義務は、学校教育法第38条(小学校)および第49条(中学校への準用)が市町村に課す義務である。市町村は、その区域内に住所を有する学齢児童・学齢生徒を就学させるに必要な小学校・中学校を設置しなければならず、義務教育学校の設置をもってこれに代えることもできる。この義務は、保護者が負う「子を就学させる義務」(学校教育法第17条)と対をなし、保護者が義務を果たせるよう学びの場を用意する公的責任を市町村に求めるものである。市町村は単独で設置するほか、複数市町村が一部事務組合や広域連合を設けて共同で学校を設置することも認められており、過疎地域などでは組合立学校の形がとられる。
設置義務の例外と統廃合・規模適正化
学校設置義務には例外も置かれている。中学校については、市町村に財政上やむを得ない事情があるときは、都道府県教育委員会の認可を受けて、当分の間その設置義務の履行を猶予・免除される定めがある。また、児童生徒数の減少が続く地域では、複数校を統合する学校統廃合や、適正な学校規模を確保するための学校規模の適正化が課題となり、設置義務を果たしつつ教育環境をどう維持するかが論点になる。隣接市町村の学校へ通う区域外就学や、就学校の指定・指定校変更といった就学事務も、市町村が設置義務に基づき設けた学校への就学を前提に運用される。自治体にとって学校設置義務は、学校の新設・統廃合や通学区域の見直しを判断する際の出発点となる法的枠組みである。
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