学校給食法とは、学校給食の目標・実施および経費負担の区分を定める法律である(昭和29年法律第160号)。義務教育諸学校における学校給食の普及と教育的位置づけを規律する根拠法として位置づけられる。
給食費を保護者に求めるのは何を根拠とし、施設や人件費は誰が負担するのか——その区分を定めるのが学校給食法である。学校給食法は昭和29年に制定され、学校給食を単なる食事提供ではなく食育を含む教育活動として位置づけた。
この法律は、義務教育諸学校の設置者に学校給食の実施に努める義務を課す一方、経費の負担を明確に区分する。施設・設備費や調理員の人件費など運営に要する経費は設置者(市区町村等)が負担し、食材費(賄材料費)は保護者が負担するのが原則である。近年の給食費無償化の議論は、この保護者負担の原則をどう扱うかという問題であり、学校給食法の負担区分を理解しないと無償化の制度設計や財源論が読み解けない。栄養教諭による食育や学校給食衛生管理基準の根拠もこの法律にある。
経費負担の区分と無償化の論点
学校給食法第11条は経費負担を二分する。学校給食の実施に必要な施設・設備に要する経費と運営に要する経費(調理員の人件費・光熱水費等)は義務教育諸学校の設置者が負担し、それ以外の経費(食材費)は学校給食を受ける児童・生徒の保護者が負担すると定める。近年各地で進む給食費の無償化は、この保護者負担とされた食材費を自治体が公費で肩代わりする措置であり、法が無償を義務付けているわけではない。無償化を恒久化するには安定財源が必要で、設置者負担との関係や国の支援の有無が制度設計上の焦点になる。庁内で無償化を検討する際は、まずこの第11条の負担区分を出発点に据えると論点が整理しやすい。
教育活動としての位置づけ
学校給食法第2条は学校給食の目標として、栄養バランスのとれた食事による健康保持増進に加え、食事の重要性や望ましい食習慣の理解、伝統的な食文化の理解などを掲げ、給食を食育の教材として明確に位置づける。平成20年の改正で食育の推進が法目的に加えられ、栄養教諭が学校給食を生きた教材として活用して食に関する指導を行う枠組みが整えられた。給食を教育課程の一環として扱うか、福祉的な現物給付として扱うかで担当課の所掌や予算の立て方が変わるため、この法律が給食を教育活動と定義していることは実務上の前提になる。
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