学校環境衛生基準とは、学校保健安全法第6条に基づき文部科学大臣が定める、学校の換気・採光・照明・保温・清潔保持その他環境衛生に係る事項についての基準である。
教室の温度や明るさ、飲料水の水質、プールの衛生は、どの程度の数値を保てばよいのか。学校環境衛生のこうした判断の物差しが、学校保健安全法第6条に基づき文部科学大臣が定める学校環境衛生基準である。教室の温度・湿度、換気、照度、騒音、飲料水やプール水の水質、ダニやホルムアルデヒド等の空気環境など、項目ごとに望ましい数値の範囲や検査方法が示されている。
学校保健安全法は、学校の設置者がこの基準に照らして学校の環境衛生を良好に保つよう努めることを求め、校長は環境衛生上の問題があると認めた場合に遅滞なく改善のため必要な措置を講じ、できないときは設置者に申し出るものとしている。これに基づき各学校では学校薬剤師の協力を得て定期・臨時の環境衛生検査を実施する。
実務上は、毎学年の定期検査と季節や状況に応じた日常点検・臨時検査の年間計画を立て、検査結果を記録・保存し、基準を満たさない項目について改善を図る。猛暑時の教室の暑さ対策やプールの水質管理など、児童生徒の健康に直結する事項を数値で管理する根拠となっている。
定期検査・日常点検・臨時検査の区分
学校環境衛生基準は、検査の種類を定期検査・臨時検査・日常点検に区分している。定期検査は毎学年定期に行う検査で、教室等の空気(温度・湿度・二酸化炭素濃度等)、採光・照明、騒音、飲料水等の水質、学校給食施設の衛生状態などを対象とする。臨時検査は感染症や食中毒の発生時、大規模な改修後などに必要に応じて行う。日常点検は授業日ごとに教職員が行う点検で、換気や採光、清潔保持の状況などを目視等で確認する。これらの検査・点検は学校薬剤師の指導助言のもとで計画的に実施し、結果の記録・保存も義務づけられている。
基準を満たさない場合の措置義務
学校保健安全法第6条第3項は、校長が学校環境衛生基準に照らして適切を欠く事項があると認めた場合には、遅滞なくその改善のため必要な措置を講じ、または措置を講ずることができないときは学校の設置者に対しその旨を申し出るものと定める。基準は努力義務的な性格を持つ部分もあるが、検査で基準を超過した項目(飲料水の水質異常など健康に直結するもの)については速やかな改善が要求される。設置者である教育委員会は、申出を受けて施設改修や設備更新などの予算措置を講じることになり、検査結果が施設整備の優先順位の判断材料となる。
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